「保育士から介護士になるのってどうなの?」
このような疑問を抱いてる方は、数多くいるでしょう。資格の取得方法や業務内容は異なることもありますが、同じ対人援助として転職される方も見受けられます。
そこで今回は、保育士から介護士への転職について記事にしていきます。保育士と介護士それぞれの比較や、私が実際に転職して良かったと感じたことについて解説します。
目次
保育士と介護士の比較
保育士と介護士それぞれの特徴
保育士と介護士はそれぞれ次のような特徴があります。
保育士 | 介護士 | |
資格必須 | △ | △ |
資格の種類 | 少ない | 多い |
対象者 | 幼児 | 被介護者 |
夜勤 | × | 〇 |
平均給与 | 350万円 | 340万円 |
職場の種類 | 少ない | 多い |
働き方 | 一様 | 多様 |
保育士
保育士は「児童福祉法」に基づく国家資格です。専門的知識、技術を用い、児童の保育並びに、児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを生業とする職業となり、基本的には資格が必要です(近年では、資格が必要ない保育補助という仕事もあります)。
一部の施設では24時間の保育をしていることもありますが、大半の施設では日中の保育のみのため、夜勤はありません。
年収としては、350万円が平均で、年功序列であがっていくことが多いです。
介護士
専門的知識、技術を用い、身体上又は精神上の障害により、日常生活に支障があるものの身体に応じた介護を行う職業です。必ずしも資格が必要なわけではありませんが、身体介助をするためには、資格取得が必要です。
取得する資格の幅が広く、資格によって、業務内容や役割が異なります。
24時間の介護施設が多くあるため、夜勤が発生する場合が多いのも特徴です。平均給与は340万円ですが、資格手当があったり、夜勤手当があるため、貰える給与はまちまちとなります。
保育士と介護士のキャリアの積み上げ方
保育士と介護士の比較を、次の項目でしてみましょう。
- キャリアの多様性
- キャリアアップに必要な資格
1.キャリアの多様性
保育士と介護士の大きな違いは、積むことのできるキャリアの幅の広さです。保育士から次のキャリアというのはあまり幅広くありません。一方で、介護の分野においては、資格の幅が広くあるため、色々なキャリアを目指すことができます。
一般的に介護士というと、被介護者の食事や入浴の介助をイメージする方が多いと思いますが、どのような介護サービスが被介護者にとって適切かを考え、プランニングするケアマネジャーといった仕事もあります。
2.キャリアアップに必要な資格
まずは、保育士、介護士のキャリアアップに必要な資格をご紹介します。
保育士のキャリアアップに向けた資格は、職務分野別リーダーで修了認定を受けることで、主任保育士へのキャリアアップを図れます。他にも、絵本専門士やリトミック指導者といった特定の分野別に任用資格があります。
一方、介護士は、持っている資格によって職務内容が異なることが大きな特徴です。
例えば、現場でご入居者様に介助を行うスタッフと、ご入居者様のサービスプランを作成・管理するスタッフは資格によって異なります。
介護士の資格はの一例をご紹介します。
◆介護の主要資格
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
- 介護職員初任者研修
- 介護職員実務者研修
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
ここで挙げた資格の中で、「介護福祉士」は国家資格です。それぞれの資格にも取得条件、受験条件があり、業務内容も異なります。
どのような資格があるのかと、それらの資格の概要について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

保育士と介護士の職場
続いて、保育士と介護士が働くことのできる施設、職場についてお話します。
◆保育士と介護士の働くことができる施設一例
保育士 | 介護士 |
保育園 | 特別養護老人ホーム |
児童養護施設 | 有料老人ホーム |
障害児支援施設 | 介護老人保健施設 |
児童自立支援施設 | サービス付き高齢者住宅 |
学童保育 | デイサービスセンター |
放課後デイサービス | 訪問介護事業所 |
訪問入浴事業所 | |
ケアハウス |
保育士の働く職場にもいくつかの種類がありますが、大半の人が保育園に勤めています。一方で、介護士の働く職場は保育士よりも多様で、偏りも少ないのが特徴です。
介護士は働き方が多様
介護士は先述したとおり、働く職場が多様であることや、取得している資格により業務内容が異なるといった特徴があります。
また、入所施設で勤務する場合は「夜勤」での勤務があり、夜勤勤務のみの「夜勤専従」という働き方もできます。夜勤専従は夜勤手当がつくことで給与が高水準であることに加え、1か月あたりの出勤回数も調整することができます。
つまり、介護士と保育士の大きな違いとして、介護士は「働き方」に多様性があるということがいえます。
保育士の経験は活きる?
保育士から介護士になった場合、前職である保育士の経験が活きる場面は多々あります。あくまで一例ではありますが、次のような場面で経験を活かすことができるでしょう。
新生児の排泄介助→高齢者の排泄介助
もし、あなたが0歳児クラスを担当して、子どものおむつ交換を経験をしているのであれば、介護ではその経験が生かされる場面がたくさんあります。
もちろん、0歳児と高齢者と排泄介助のスケールは異なりますが、清潔と不潔の区別であったり、清拭時の拭く方向であったり、排泄物の処理方法は類似しているので、経験として役に立ちます。
乳児クラスの食事介助→高齢者の食事介助
乳児クラスの子どもを担当している場合、食事の上で気を使う場面が多々あるかと思います。
0歳児クラスから1歳児クラスであると、食形態や嚥下や咀嚼方法。1歳児クラスから2歳児クラスでは食具や食具の掴み方、食事姿勢について気を配りながら、食事介助に入る場面もあるはずです。
そのような経験は、介護の仕事にも十分に活きます。
例えば、0歳児クラスで月齢が上がるごとに食形態が徐々に上がるように、介護でも嚥下、咀嚼の状況によって食形態を変更することが多々あります。
また、食事介助に入るときも、利き手や麻痺状態はどちらであるとかを考慮して食事介助に入ります。食事姿勢もしっかり椅子の座面深くに座っているか、顎を引けているかなどに注目することも共通しているかと思います。
幼児クラスでの活動立案→レクリエーション企画立案、実施
担任を経験した方であれば、月案、日案に沿って1日の保育を展開することは経験済みであろうかと思います。
介護の仕事では、大勢の前でレクリエーションを日中に行う施設が多くあります。場合によっては、大きなレクリエーションを事前に計画して行う場合もあります。また、レクリエーション内容によっては、ピアノの経験や工作の経験を生かして、レクリエーションを展開することができます。
介護士へ転職して良かったこと
ここまでは、保育士と介護士の特徴を比較したり、仕事上似ている部分を挙げてきました。
ここからは、私自身が「保育士⇒介護士」へと転職して良かったことについて書いていきます。
転職して良かったことは主に次の2点です。
◆介護士へ転職して良かったこと
- 働き方次第で給与がアップする!
- プライベートの時間を確保できる
働き方次第で給与がアップする!
まず1点目は給料が上がったことです。「給与面」は、介護士、保育士ともに働き方や施設によって給与、条件面は大きく異なるため、どちらが良いとは一概にはいえません。
しかし、私の場合は、保育士から介護士に転職したことにより、給与が上がりました。
私は、「常勤保育スタッフ⇒夜勤専従介護スタッフ」への転職でしたが、1か月あたりの出勤日数に対しての給与は、転職後の夜勤専従介護スタッフの方が上がりました。
プライベートの時間を確保できる
続いて2点目は、プライベートの時間を確保できるようになったことです。
保育の仕事、特に、保育園での仕事は、通常業務に加え、行事に向けた企画・制作を行うことが多く、時には制作物を自宅に持ち帰って作ることもありました。
そのため、自宅での仕事や作業のせいで、プライベートの時間の確保が困難な場合がありました。
しかし、介護の仕事は、基本的にフロア担当制やシフト担当制を敷いていることが多いので、もし業務時間内に終わらなかったことがあれば、次の担当者に引き継ぎをすれば大丈夫です。自宅に仕事を持ち帰るようなこともなくなったので、「仕事とプライベート」の切り分けができるようになりました。
確保できた時間を有効活用して、趣味や副業もできるようになりました。
介護士へ転職して悪かったこと
続いて、転職して悪かったことは主に次の2点です。
◆介護士へ転職して悪かったこと
- 肌荒れをする可能性がある
- 体調管理が難しい
肌の弱い人は要注意
介護の仕事は入浴、排泄、更衣介助等、衛生面に非常に気を使いながら業務にあたります。
そのため、こまめな手洗いや消毒作業が欠かせません。冬場になると、手荒れがひどくなる方が多く見受けられますが、介護では常に手洗いを実施しているせいか、手荒れを常に起こしている方もいます。
もし、肌が弱い自覚がある方は、事前に皮膚科に受診するなどの対策を取ることをおすすめします。
体調管理が難しい
介護士はたいていの場合、日勤と夜勤のミックスでのシフトになります。そうすると、生活リズムがつかめず、体調を崩す方もいます。私の場合は夜勤専従のため、日勤と夜勤のミックスのシフトと比べると、比較的、体調管理はしやすいのですが、慣れるまでは大変だと思うこともありました。
まとめ
今回は、「保育士から介護士に転職して良かったことと悪かったこと」について書いていきました。
最後に要点をまとめていきます。
- 働き方次第で給料がアップする
- プライベートの時間の確保がしやすくなる
- 働き方が多様である
- 肌荒れを起こす場合がある
- 生活リズムが取りづらく体調管理が難しい
保育士も介護士もともに、クライアントの年齢層は異なるものの、直接クライアントとかかわり支援を展開していく職業。保育士も介護士もそれぞれ一長一短な部分がたくさんあるので、自分にとっていいなと思える仕事、職場を見つけられるように参考にしていただけると幸いです。
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