「介護職」と聞くと、「転職が多そう」と思う方もいるのではないでしょうか。
どの職業でも退職や転職というものはありますが、確かに介護の現場では転職が頻繁にあります。転職自体は近年では当たり前になってきました。昔のように「転職=給料が下がる」とかマイナスのイメージを持つ人もそれほど多くはないでしょう。
転職をすることで、給料を上げて行くことは、同じ職場にいるよりも簡単であることは、何度もこのサイトでも記事にしてきました。
しかしそれでも、転職自体にはリスクと思われるようなことがあります。
そこで今回は、転職に失敗する人の特徴を記事にし、皆さんの介護転職がより良いものになる手助けとなればと思います。
目次

近年の転職の実態
介護の仕事に限ったことではありませんが、転職すること自体は最近では珍しくありません。
厚生労働省発表この表を見ると分かるように、転職した人が前職をやめた理由は、男性では、『定年・契約期間の満了』が最も高く16.9%、『給料等収入が少なかった』が10.2%で次点です。女性では、『定年・契約期間の満了』が最も多く14.8%、『労働時間、休日等の労働条件が悪かった』が13.4%です。
定年を機に転職する人を除けば、給与や労働条件を理由に転職する人が多いようです。他にも親などの介護のためとの回答も見られました。
この統計を見るまでは、「辞める=定年退職」が圧倒的に多いと思っていましたが、給料や労働条件の改善を求めて、転職している人が多くいるというのが事実のようです。
介護職員で転職する人の特徴
介護職員が転職する理由
介護業界で転職された方の転職する理由を厚生労働省がまとめているものが以下のアンケート結果です。
Microsoft PowerPoint - 【資料1】270114 介護労働の現状参考資料:『厚生労働省 介護労働の現状』
この結果を見ると、下記のような理由で転職している人が多いようです。
- 職場の人間関係に問題があったため
- 結婚・出産・妊娠・育児のため
- 他に良い仕事・職場があったため
- 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため
- 収入が少なかったため
特に、『職場の人間関係』を理由に離職した人は、全体の24.7%に上ります。
先ほど見たように、転職者全体での転職理由としては、『給料等収入が少なかった』、『労働時間、休日等の労働条件が悪かった』が上位に来ていました。ここから分かるのは、他の業態や職種に比べて、介護職の場合、『職場の人間関係』に不満を持つことが多いということです。
介護職で転職する人の特徴
では、転職する理由から考えられる、介護職で転職する人の特徴はどのようなものでしょうか。
◆介護職で転職する人の特徴
- 人間関係に不満があり改善を考えている人
- 給料や労働条件の向上を目指す上昇志向のある人
- 理想の介護を求める人
まずは、1.の人間関係に不満があり改善を考えている人です。
なぜ介護の職場では人間関係で悩み、そして転職をする人が多いのでしょうか。
これは介護職が人と密接に関わる仕事だからです。人間関係といっても、「利用者との人間関係」、「先輩や同僚との人間関係」、「上司との人間関係」があります。毎日の仕事の中で、仕事の引継ぎや連携で職員同士のコミュニケーションは必須ですし、利用者の方々とのコミュニケーションも必須です。誰ともコミュニケーションを取らずに黙々と仕事をするといったことがあまりないため、人間関係が悪くなると、ストレスや不満を感じ、それが理由で転職していくというのも理解できます。
また、介護福祉士などの専門性のある資格を持っていれば、他の施設でも同様に仕事ができるため、転職へのハードルも低くなります。一般の企業勤めの人間が、人間関係が悪くなっても我慢し続けるのに比べ、転職していきやすいというのもあるかもしれません。
続いて、2.の給料や労働条件の向上を目指す上昇志向のある人についてです。先ほどのアンケートで『他に良い仕事があった』や、『収入が少なかった』という理由を挙げた人がこういった人たちでしょう。介護職員が働く高齢者施設や障害者施設は数多くの事業所が存在します。専門職なので、基本的な仕事内容は変わらないため、少しでも良い給与、労働条件を探して転職することがあるでしょう。
最後に、3.理想の介護を求める人についてです。これは『法人の理念や運営方針に不満があった』という理由の人です。介護の仕事に誇りやプライドを持って仕事をしていると、法人の理念や運営方針と自分の考えや理想が離れてしまうことがあります。そういった場合にも、転職を選ぶ人がいるでしょう。
介護職の転職で失敗してしまう理由
給与を理由に転職するのはどの職種でも同じです。
転職して成功だと思える瞬間は何をもって成功とするかは難しい問題です。新しい職場がどんなにブラック企業と言われていても、就職した本人が働きやすくて幸せなら成功なのです。周りがいくら間違った転職だと行っても関係ありません。
先程のデータを分析すると、理由の上位にきていた、退職に伴う転職の場合、新しくやりがいを見つけることが出来れば成功です。給与面に関した動機から転職した人にとっては、給与が上がれば成功と言えるでしょう。
介護転職に失敗する人の特徴
続いて、介護転職で失敗してしまう人の特徴を挙げます。
「失敗」というと何をもって失敗なのかが難しいですが、ここでは「失敗=後悔」とします。
◆介護転職で失敗してしまう人の特徴
- 転職理由が明確ではない
- 転職先をしっかりと検討しない
- 転職理由が後ろ向きである
上の2つは事前の準備についてです。そして一番下の内容はマインドについてです。それぞれを詳しく説明していきます。
転職理由が明確ではない
まずは、転職理由が明確ではない場合です。転職理由とその優先度がはっきりしていないと、全てが中途半端に終わってしまいます。良くない例としては、「給料がちょっと上がって、職場の雰囲気が良くて、家からある程度近い職場」というようなものです。どれが優先度が高いのかが分かりませんし、転職したとしても、「前の職場よりちょっと遠くなった」とか「思ったより給料が上がらなかった」という新たな不満の元となります。
そのため、優先すべき事項を明確にあげ、それを軸に転職先を探しましょう。例えば「給料を上げる」というのが転職理由であれば、それ以外を全てを無視するくらいの考えで転職先を探すのが良いでしょう。ここで大切なのは、しっかりと自分で考えて決めるということです。自分で考えて決断した内容であれば、大きな後悔というのは起きにくいはずです。
転職先をしっかりと検討しない
続いて、転職先をしっかりと検討しない場合です。これも、途中で面倒になって適当に決めてしまうと後悔する可能性が高いです。最後には、どこか1つに絞って決めなくてはならないことは確かですが、それまでに色々と検討したということが大切です。
比較検討したうえで、自分の転職先としてこれ以上の転職先はないと思うところが出てくれば、後悔することも少ないはずです。そのためにも、いくつかの転職サイトを利用して比較検討していくと良いでしょう。
転職理由が後ろ向きである
最後に、転職理由が後ろ向きであるという場合です。これはそもそもの話ですが、転職するに至った理由が、「職場の人間関係が嫌だから」とか、「職場の給料が低いから」といった後ろ向きな理由の場合、新しい職場でも同様の不満が出てくる可能性が高いでしょう。
人間関係というのは、「自分」と「相手」がいます。たいていの不満は「相手が〇〇だから」というものですが、ここで欠けているのは「自分がどうなのか」という視点です。自分を見つめなおし、相手と向き直うという姿勢が転職をする、しないに関わらずとても大切です。転職に関していえば、こういった姿勢をとってもなお、相手との関係性が改善されないのであれば、転職することで改善され良い結果を生むはずです。
また給料の不満にしても、「新しい資格を取る」、「自分のスキルを上げる」、といったことを行ったうえで、「ステップアップしていく」といった気持ちで転職する場合と、不満を持っているから転職するのでは、明らかに違いがあります。
「不満」ではなく、「より良い未来」を考えて転職するという視点が転職に失敗しないためには、とても大切です。
中途採用者は何を求められているのか
要介護利用者数と介護職員数の推移
介護事業所は、今後多様化・複雑化するニーズに応えていくことが求められます。そのために優秀な人材を多く必要としています。
要介護者数は平成12年には約200万人だったものが、平成29年度では約600万人と増え続けています。75歳以上の人口は2025年辺りから緩やかな上昇になり、増加には歯止めがかかると想定されますので、要介護者数もある程度で横ばいの推移になるでしょう。
これに対応して、介護人材の需要上がっており、2025年度までに約55万人の介護職員を増やさなくてはいけないと言われています。それに反して、介護福祉士の養成施設の入学者数を見ると、10年以上定員割れが続き、定員充足率はここ数年50%を切っている事態になっています。このペースで行くと、定員を満たすことは難しいでしょう。
つまり、介護人材は不足しており、今後もその傾向は続くと思われるということです。
事業所が介護職員に期待すること
利用者の数に対して職員が慢性的に足りなくなることが想定されます。とはいえ、介護の仕事は専門性のある仕事であり、また、人と人との関わりのある仕事のため、誰でも良いというわけではありません。以下のようなことが求められるでしょう。
◆事業所が介護職員に期待すること
- 介護の専門性がある
- 利用者と適切にコミュニケーションが取れる
- 長く働くことができる
- チームワークが取れる
- 介護の仕事にプライドを持って働いてくれる
まずは、介護の専門性があることです。介護事業所の求める介護の専門性は、特養であれヘルパーであれデイサービスであれ基本は同じです。この専門性は高いほうが良いですが、専門的なスキルは仕事をしながら徐々に育てていくことが出来るため、向上心があれば、資格を持っていなくても働ける施設は多々ありますし、実際に求人も多くあります。
それよりも大切なのが、コミュニケーションがしっかり取れ、仕事の連携ができることです。事業所が求める介護職員像は、いつの時代も基本的には大きく変わりません。介護の仕事は人と人との関わりです。ここを軽視している人は、採用されないか、されても、職場で上手く仕事をしていくことができないでしょう。
逆にいえば、しっかりとコミュニケーションが取れることと、介護の仕事を向上心を持って取り組めることがアピールできれば、面接でも実際の仕事でも上手くいく可能性が高いでしょう。
まとめ
近年、多くの人が理想の職場探しに妥協しません。給与であったり環境であったり、求めるものは皆違いますが、より良いと思える職場で働きたいものです。そうするためにも転職で失敗しないようにしたいものですね。
今回、転職で失敗してしまう人の特徴として、3つ挙げましたのでおさらいしましょう。
- 転職理由が明確ではない
- 転職先をしっかりと検討しない
- 転職理由が後ろ向きである
転職に関して事前に準備ができていない人や、何でも人のせいにするような人は失敗しやすいので注意が必要です。
また、採用する側の介護施設で重視されることは明確でシンプルです。1番重要なのは、人としっかり対等にコミュニケーションが取れるかどうかです。これらを念頭に転職活動を行えば、きっと、転職を成功させることができるでしょう。
皆さんが、より良い未来に進むことを期待しています。
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