介護の仕事をしていると、資格を取りたいという気持ちになるのはごくごく自然の流れです。その中でも、職場で一緒に仕事をしているケアマネジャーの姿を見て、自分もケアマネジャーになろうと決意する人は多いのではないでしょうか。
同じ介護職の仕事といっても、介護職としての仕事とケアマネジャーになってからの仕事内容は全く異なるものになります。また給料もそれに応じて増えていきます。
せっかく資格を取ったのに、思い描いていたものと現実が大幅に違うというようなことに陥らないためにも、ケアマネジャーの仕事内容や給料はどの程度上がるのかなどの情報を収集しましょう。
こういったことをあらかじめ把握することで、資格取得自体が自分にとって必要かどうかや、転職時の職場を選ぶ際に役立ててることができます。
そこで今回は、ケアマネジャーを目指す人に向けて、仕事内容について簡単に触れつつ、給料の違いなどの説明をしていきます。
目次
ケアマネジャーの仕事概要
介護職とケアマネジャー仕事内容の違い
介護職として働きながら勉強をし、難しい試験を突破して晴れてケアマネジャーになることができたら、新しい資格と仕事内容に心が弾み、期待とやる気で満ち溢れることでしょう。
しかし、実際にケアマネジャーとして仕事を始めると、介護職との仕事の違いに驚き、戸惑う人も多くいます。
介護職は要介護者に直接介助をすることが仕事ですが、ケアマネジャーは介護を必要としている方に、適切な介護サービスが受けられるように調整を行うことが仕事です。直接支援をするか、間接的に支援をするか、という違いですが、仕事内容は全く異なるのです。
ケアマネジャーの職場とその特徴
ケアマネジャーの職場とは
ケアマネジャーの働く場所の種類は、大きく分けて下記の2つに分類されます。
◆ケアマネジャーの働く場所
- 居宅ケアマネジャー
- 施設ケアマネジャー
同じケアマネジャーでもどちらに分類されるかによって、仕事内容が変わっていきます。
居宅ケアマネジャーとは
自宅で生活を望む要介護者を支援するのが居宅ケアマネジャーの仕事で、居宅介護支援事業所に属します。自宅に訪問をして生活状況を確認し、必要な介護サービスを提供します。
人それぞれ生活状況がことなること、本人や家族の気持ちなど様々なことに配慮し、介護サービスを選ぶ必要があります。事業所も多岐にわたるので、例えばデイサービスを選ぶにしても、本人の性格や趣味などを考慮して事業所を選びます。そのためにはどのような事業所があるのかを把握しておく必要があります。事業所を見学したり、資料を集めておいたり、生活相談員とコミュニケーションを取ることも大事な仕事になるのです。基本的には知らない事業所を紹介することはないので、数多くの事業所を把握しておくことが居宅ケアマネジャーには求められます。
それ以外にも、サービス担当者会議の開催やケアプラン作成、毎月の自宅訪問、介護サービスの利用状況を把握するための給付管理、介護保険の要介護認定申請や各種手続きの代行を行い市町村とやり取りなどの仕事があります。
市町村から委託を受けて、介護保険申請した方の日常生活動作等をチェックする認定調査を行います。要介護認定を決定する大事な仕事になります。
ケアマネジャーは事務的仕事が多いように思われがちですが、利用者の自宅訪問や、事業所見学などの外回りも多くあります。
ケアマネジャーの詳しい仕事内容が気になる方は下記記事を参考にしてみてください。

施設ケアマネジャーとは
特別養護老人ホームやグループホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど、入居されている方に対してケアプランを作成することが仕事になります。施設内での利用者に限られますので、何かあればすぐに対応することができます。ケアマネジャーの業務の他に生活相談員や介護業務を兼務することも多くあります。場合によっては夜勤などもあるでしょう。利用者の状況を把握するうえでは必要なことになります。
施設内のスタッフとの連携が必要になり、ヘルパーや看護師など情報共有が大事になります。居宅のような各事業所との連絡調整や認定調査などは、ほとんどありません。
居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの担当件数の違い
居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの大きな違いは、ケアマネジャー1人当たりの担当できる利用者の人数です。居宅ケアマネジャーは35件程度が可能です。自宅への訪問や介護サービス利用時の事業所との調整などがあり、サービス導入時などは何度も訪問をして状況を把握することも必要になり、サービス担当者会議等などで、1人の利用者に対して関わる時間が多くなります。それ以上の人数を受け持つことは十分な支援を行うことができないとし、減算対象にもなります。
それに対して、施設ケアマネジャーでは100人程度が担当可能です。施設内での支援に限定されるため、スタッフ間での情報共有により適切な介護サービスが提供しやすいということ。居宅のような事業所との連絡調整が発生しないことで、それだけの人数を担当することが可能であるとされています。
ケアマネジャーの取得難易度と取得方法
介護職のキャリアステップ
以前にも、介護職のキャリアステップについては記事で書きましたが、ケアマネジャーの資格の位置づけを認識するためにも、下記の図を作成しました。
もし、介護職の資格を持っていない状態から、ケアマネジャーを目指す場合は、次のステップを踏んでいくのが良いでしょう。
見てわかる通り、ケアマネジャーは国家資格である介護福祉士よりも、後に取得する資格で、そこに到達するためには、いくつものステップが必要となります。
ケアマネジャーを取得する方法
ケアマネジャーを取得するためには、次のステップを踏まなくてはなりません。
◆ケアマネジャーを取得するためのステップ
- 受験資格取得
- 介護支援専門員実務研修受講試験
- 介護支援専門員実務研修
- 資格取得
この中で、1.の受験資格を取得するためのハードルが高くなっています。受験資格を取得する条件は以下の内容です。
◆ケアマネジャーの受験資格を取得する条件
下記の業務を、通算して5年以上かつ900日以上従事した者
- 国家資格等に基づく業務(※1)
- 生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務
(※1)該当資格:医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作 業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語 聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理 栄養士)、精神保健福祉士
無資格からスタートして、ケアマネジャーを取得するためには、国家資格である介護福祉士の資格を取得し、その後、5年以上働いていることが必要です。
ケアマネジャーの取得難易度
ケアマネジャーの取得難易度ですが、介護職の資格の中では難易度は高い部類であるといえるでしょう。
資格取得におけるハードルは2つあります。
◆ケアマネジャーの取得ハードル
- 受験資格を取得するために時間と労力がかかる
- 試験の合格率が10~20%
受験資格はすぐに得られませんが、介護業界にいながら、ゆっくりと成長していく過程で取得できるものでもあります。また、早ければ20代で取得することも可能です。
試験自体の難易度は他の国家資格等と比べ、難しいというわけではありませんが、5人中4人が不合格になる試験なので、しっかりと勉強する必要があるでしょう。
ケアマネジャー実務者研修で学ぶこと
ケアマネジャー試験に合格をすると、実務者研修を受講することになります。研修ではケアマネジャーとしての心得や介護保険について、ケアプラン作成やサービス担当者会議など実践的なことを行います。
前期研修が9日間、実習が3日間、後期研修が7日間の計19日間です。都道府県により期間や内容は異なります。
研修16日間の内容は、3日間は講義で座学、13日間は講義・演習で、こちらはグループワークです。ケアプラン作成のための方法や考え方をグールプ内で話し合い発表を何度も繰り返します。最終日には模擬サービス担当者会議を行います。実習3日間は実際の現場でケアマネジャー業務を学びます。
ケアマネジャーの給与
介護職員とケアマネジャーの違い
介護職員とケアマネジャーの給与の違いを比べてみましょう。
◆介護職の給与比較
- 介護職員の平均月収:約297,000円(基本給:約179,000円)
- ケアマネジャーの平均月収:約345,000円(基本給:約216,000円)
職場により、諸手当や資格手当など違いはありますが、一般的な介護職員とケアマネジャーでは、1か月あたり約30,000円~50,000円の差があります。
※例外ではありますが、介護職員は早番や遅番、夜勤など時間外手当があるため、職場によってはケアマネジャーよりも給与が高いケースもあります
ケアマネジャーの働き場所による給料の違い
居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーを比べると、比較的、施設ケアマネジャーの方が給与は高いです。ケアマネジャー業務の他に介護業務を行っている場合も多く、早番や遅番、夜勤を行うこともあるため、時間外手当がつくからです。施設によってはケアマネジャーを施設長や管理職としている所も多くあり、役職手当が支給されることもあります。居宅ケアマネジャーは一定の時間での勤務になること、居宅介護支援事業所には管理者が配置されているため、役職がつくことはあまりありません。
経験年数よる違い
ケアマネジャーは専門職であり経験が重要視されます。そのため経験年数や年齢によって給与に違いがあります。経験年数0年と1~4年を比べると約30,000円~40,000円の差があります。1~4年と5~9年は約10,000円~16,000円、5~9年と10年~14年では約14,000円~19,000円程度の違いがあります。
事業所により待遇面や手当などの差もありますが、経験年数により給与が高くなる傾向にあります。
まとめ
ケアマネジャーの仕事には種類があり、働き方の違いがあります。また年齢、経験年数によっても貰える給料に差が出てきます。しかし、介護職員として働くよりも、ケアマネジャーとして働き、様々な経験を積みスキルアップすることで、給料が上がっていくことは確実です。
ケアマネジャーになりたい、キャリアアップしたい、と考えている人は、ぜひ業界内を転職しながら、給料とスキルを同時に高めていってください。特に、資格取得と転職は相性が良いので、資格取得をしたいと考えている人は下記記事も読んでみてください。


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