60代から80代になると、孫やひ孫が産まれていてもおかしくはありません。子育ても仕事からも解放され、毎日が自由です。のんびり散歩や買い物、ワイドショーやドラマを観て食事を楽しむ。一見し羨ましいくらいのスローライフですが、有り余る時間に手持ち無沙汰になる高齢者も多いのです。
また、仕事や育児は否応なく頭と身体を使いますが、それらがなくなると急激に脳を使わなくなり、機能が衰えていきます。
今回は、そんな高齢者に忍び寄るうつ病について記事にしていきます。
目次
うつ病ってどんな病気?
うつ病とは、一言でいうと、憂鬱な気分が続く病的な精神状態のことです。主な症状が、「感情」とその持続的状態である「気分」が抑うつになることであるため、感情精神病、感情障害、気分障害ともいわれます。
抑うつ気分、興味や喜びの喪失、活力の減退による易疲労感の増大や活動性の減少が症状として現れます。
この症状が続くと、仕事・家事・勉強など本来の社会的機能がうまく働かなくなります。また人との交際や趣味など日常生活全般にも支障をきたすようになります。
うつ病とアルツハイマー(認知症)の違い
うつ病の症状とは
うつ病と似ている病気として、アルツハイマー型認知症があります。
まずはそれぞれの特徴について書いていきます。
うつ病は憂鬱な精神状態が続く病気ですが、原因としては脳に送られるセロトニンなどの伝達物質の分泌異常や、伝達信号異常により引き起こされると考えられています。
うつ病による症状は、下記のようなものが挙げられます。
◆うつ病の症状
- 不眠
- 食欲の減少
- 趣味や遊びなどの意欲の減少
- 日常生活における意欲の減少
- 被害妄想
- 希死念慮
アルツハイマー型認知症とその症状
続いて、アルツハイマー型認知症についてです。アルツハイマーは脳の病気であり、脳の萎縮により認知や味覚に障害がでます。
アルツハイマー型認知症の症状については、下記のようなものがあります。
◆アルツハイマー型認知症の症状
- 不眠
- 味覚の変化
- 物忘れ
- 意欲の低下
- 怒りっぽくなる
- 被害妄想
うつ病とアルツハイマーの見分け方
上記に書いた症状のように、どちらも似たような部分があります。高齢者の場合は、症状がどちらのものなのかを判断するのが難しいこともあるでしょう。
アルツハイマーの場合、脳の萎縮がみられるため、まずは脳外科などの診察を受けてみるのが良いでしょう。もし脳の萎縮等の問題が見つからない場合は、うつ病の可能性が高くなります。また、糖尿病や癌など別の病気を患ったことがきっかけで、うつ病を発症することもありますので大病を患った時も注意が必要です。
認知症であってもうつ病であっても、本人の人格を否定したり、病気なんだと強く訴えたりすることはしないようにしてください。
病院に行くこと自体を嫌がる場合は、「私の診察に付き添って欲しい」などと言って病院に連れていく等の工夫も必要です。
うつ病になりやすい人はどんな人
うつ病になりやすい人の性格的な特徴
うつ病になりやすい性格の傾向としては、次のようなものが挙げられます。
◆うつ病になりやすい性格の傾向
- 神経質
- 完璧主義者
- リーダー気質
- 周囲の空気を読みすぎる
- 0か100の極端な考え方
若い頃に忙しかった人はうつ病になりやすい?
高齢になってから、うつ病になりやすい人としては、次のような人が多くいます。
◆高齢になってからうつ病になりやすい人
- 若い頃に仕事や育児で駆け回っていた
- 趣味や友達が少ない
- 余った時間の使い道がわからない
- 一人暮らし
うつ病は一般的に、神経質な人やリーダー気質の人がなりやすいと考えられています。
今の高齢者の人達、そしてこれから高齢者にさしかかる人達は昭和の日本を支えてきた人達で、こういった性格や気質、生活を送ってきた人が多いです。
また、うつ病という心の病に疎い世代であり、うつ病やアルツハイマーなどになっても頑なに認めようとしない側面もあります。そのため、周囲が違和感を覚えてもなかなか診察に結び付かないという現実があります。
うつ病と診断された時の関わりかた
うつ病の方と関わるうえで大切なこと
身近な高齢者がうつ病と診断された場合、どのように関わることが良いのでしょうか。
うつ病は、心の病です。若い人が陥りやすいうつ病は、仕事や人間関係に疲れ無気力になるものですが、高齢者の場合は少し違います。高齢者の場合のうつ病は、暇な時間が多くなり孤独を感じるようになってしまった場合が多いのです。
そのため、うつ病高齢者に対して大切なことは、孤独を感じさせないこと、あなたが必要だと感じさせることです。そのため、積極的に声をかけ、コミュニケーションを取ることが重要です。
しかし、うつ病は気力がなくなる病ですので「○○をしよう」、「○○に行こう」などの強要するような、声のかけ方はよくありません。「○○をしない?」というような提案するような声のかけ方をするようにしましょう。
うつ病の方と関わるうえで家族ができること
うつ病の方と関わるうえで、家族にできることをいくつか紹介します。
◆うつ病の方と関わるうえで家族にできること
- 挨拶をする
- 簡単な会話をすること
- 電話をする
- 料理や掃除を手伝ってもらう
- 買い物に付き合ってもらう
- 散歩をする
- 犬を飼う
- デイサービスを利用する
まずは、挨拶をかかさずにするようにしましょう。そして、天気の話や自分の仕事や子どもの話など、簡単な内容でも良いので会話することを心がけてください。長年一緒に暮らしていると、親との会話が少なくなっていることも多いかもしれませんが、意識的に増やしていくことが大切です。
また、本人が一人暮らしの場合は、毎日か3日に1回、大変であれば1週間に1回でも構いませんので、電話をしてください。なんの意味もなく、ただ「元気?」と声をかけるだけで十分です。会話の内容よりも、電話をして「気にしているよ」ということが伝わることが大切なのです。特に夏場は自宅にいながら熱中症などを起こしやすいので、頻繁に連絡することをおすすめします。
体力的に問題がないのであれば、料理を手伝ってもらうのもおすすめです。良かれと思って家事を手伝わせない人もいますが、足腰を使う掃除に比べ、料理は頭を使う家事ですので可能であれば手伝ってもらいましょう。味つけはこれでいいか、この食材はどう使うかなど、手伝ってもらうことで会話が生まれたり、役割ができることが大切です。
また近隣のスーパー程度なら、一緒に行かないか声をかけてもいいです。家を出るのが辛そうであれば無理をさせる必要はありません。足腰の弱い高齢者の場合、自宅に引きこもってしまうと急激に衰えが進む可能性がありますので、ほんの少し、家の周りを散歩するだけでも良い運動になります。早朝であれば人目も少ないので、散歩もしやすいと思います。
もし他の家族の方が世話をできるのであれば、犬を飼うのもおすすめです。
また、デイサービスを週1回でも利用することで、友人ができたりと、外にでるきっかけに繋がります。
まとめ
高齢者のうつ病のきっかけは孤独です。特に高齢者の一人暮らしの場合、周囲が気づかない内に悪化していることもあります。そうならないためにも、また、そうなってしまった場合も、ぜひ、孤独じゃないと感じるようにコミュニケーションを取るようにしてください。
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