独居老人が抱える問題と対策

最近マスコミの報道や新聞で「独居老人」や「老々介護」などのワードが目に留まることがよくあります。

独居老人は昭和の時代は一般的ではありませんでした。近年家庭環境が大きく変化して核家族や少子化で子供と同居することが少なくなって一人暮らしの高齢者が増えてきました。

独居暮らしには悲惨な事故や孤独死などの危険性も伴います。そこでこれから独居暮らしの高齢者が抱えている問題や独居暮らしになる背景などを解説していきます。

独居老人の現状

一人暮らしの高齢者の増加

まずは、一人暮らしの高齢者がどれだけ増えているのかという現状をみていきましょう。下記に高齢者社会白書による、65歳以上の一人暮らし高齢者の動向のグラフを載せます。

◆65歳以上の高齢者の一人暮らし動向

引用:『平成29年度高齢者社会白書(全体版)』

独居高齢者は昭和55年(1980年)に881千人(男性193、女子688)おり、高齢者総人口のうち男性は4.3%、女性は11.2%でした。その後、平成に入りその数と割合は右肩上がりに増え続け、平成27年(2017年)には5,928千人(男性1,924、女性4,004)となり、高齢者総人口のうち男性は13.3%、女性は21.1%となりました。なんと昭和55年と比較して、約6.7倍に増加しているのです。

将来の予測においてもその数は増加しており、2035年には7,622千人になり、昭和55年と比較して8.6倍になると予想されています。

このように、急速に増えてきている一人暮らしの高齢者、いわゆる独居老人は長寿国日本ならではの深刻な社会問題です。

独居老人が増加する理由

ではなぜ独居老人が増加してきたのでしょうか?

独居老人が増加した大きな理由としては、次の2つがあります。

◆独居老人が増加した理由

  • 高齢化
  • 核家族化

まず1つ目の理由として高齢化が挙げられます。そもそもの高齢者の総数が増えているため、独居老人が増えています。

そして、2つ目の理由が核家族化です。一昔前は家族主義の家庭が多く、二世代、三世代で同居するというのが一般的な家族形態でした。しかし、最近ではそういった二世帯住宅は減っており、その結果として独居老人が増加しました。

また、それ以外にも、高齢者の価値観にも変化が起こり、「老後は子供たちに頼らず自立したい」というような人が増えていることもあります。

 ◆独居老人が増加するその他の理由

  • 何らかの理由で家族を頼れない
  • すでに家族は他界している
  • 生活環境に満足している
  • 経済的に一人暮らしが可能(困っていない)
  • 慣れ親しんだ場所から離れたくない

独居老人を取り巻く環境

ここ数十年で、独居老人を取り巻く環境にも変化がありました。以前は地域での近所付き合いなども活発に行われていて、地域にはコミュニティーがしっかり築かれていました。

しかし最近ではこうした地域でのつながりや、家族関係なども希薄なケースが都会を中心に増えてきています。これは孤独死等の問題にも繋がりますが、家族だけでなく友人や近所の人との関係まで薄くなっていくと、本当に「独り」という状況になってしまいます。

独居老人が引き起こす問題

認知症問題

高齢者に係る社会問題は色々なものがあります。なかでも、高齢者の一人暮らしによる認知症問題はこれからますます深刻になるでしょう。そのため、超高齢化を迎える前に何らかの本格的な対策が必要になります。厚生労働省の「都市部の高齢化対策の現状(平成25年)」によると2025年には、認知症高齢者は400万人で、そのうち37.2%(約150万人)が一人暮らしの高齢者になると予測されています。

一人暮らしの高齢者が認知症を発症すると、次のような地域との問題が懸念されます。

◆独居老人が認知症を発症した場合の問題

  • 地域のルール(地域住民との連携、ゴミ出しのルールなど)を守れない
  • 悪いことと認識できず大声で騒ぎ、騒音の苦情が発生する
  • 夜間に徘徊などをしてしまう

上のような症状を繰り返すと、最悪の場合、今住んでいる部屋からの退居を余儀なくされたりします。また、犯罪に発展したりするケースもあるため、認知症高齢者を一人きりで生活させるのは問題が大きいでしょう。

詐欺被害

続いては、詐欺の被害の問題です。これは必ずしも独居老人に限ったことではありませんが、日頃から家族と暮らし、話すことができる人よりも、独居老人のほうが、詐欺被害に遭うリスクが高いといえるでしょう。下記に、振込詐欺の件数の表を載せます。

◆振込詐欺認知件数

引用先:『平成29年高齢社会白書(全体版)』

上のデータにあるように、オレオレ詐欺や架空請求詐欺など特殊詐欺と呼ばれる詐欺の被害者の状況をみると、60歳以上の割合は83.2%、オレオレ詐欺の被害者に限ると98.6%と、ほとんどの被害者が高齢者です。

特に70 歳以上の女性はオレオレ詐欺被害者の71.7%を占めています。また、還付金詐欺の被害者についても、60歳以上の割合は97.7%となっています。

高齢者が詐欺被害にあわないように警察、自治体など社会全体で防止策に挑んでいますが、巧妙な手口で被害は増え続けています。

独居老人への自治体の対策

地域コミュニティーの形成

高齢者は体の機能が低下して適切に物事に対処できなくなってくるために、周囲、家族、行政のサポートが重要な対策として欠かせません。その中でも、独居老人にとっては行政のサポートが非常に重要になっていきます。

各自治体としては、独居老人の問題に対して重要課題として取り組み、地域ボランティアによる見守りや安否確認などさまざまな対策を講じています。

特に、独居老人が地域での孤立を防ぐために、町内会や自治体による地域コミュニティーづくりを多くの地域で行っています。

生活状況の確認

コミュニティー作りを自治体が行い孤立を防ぐ一方で、高齢者の中には人付き合いが苦手でコミュニティーに参加したくないというような人もいます。そのような人に対しては、次のような方法で生活状況の確認に努めているところもあります。

  • 新聞や郵便物の配達員が、配達物の溜まりぐあいによって安否確認をする
  • 電気や水道、ガスの使用状況から生活状況を把握する
  • 人の動きに反応する人感センサーを家の中に設置し、家の中での活動状況を把握する
  • 民生委員や自治体の職員が家庭訪問をする

各市町村の高齢者福祉サービス

行政のサービスといえば介護保険の介護サービスをイメージしますが、独居老人にとっても助かる福祉サービスが全国の市町村にはあります。

内容や名称、金額は市町村によって異なりますが孤独死対策としては有効的なサービスです。

高齢者福祉サービス

サービス名称 利用対象者 費用負担 サービス内容
緊急通報システム 65歳以上 有り 常時注意を要する一人暮らし等の方に、緊急連絡用のペンダント式無線発報器を貸与し、ボタンを押すと消防所へ連絡され救急隊員が来る
見守り、声かけ活動 65歳以上 無料 高齢者が地域で安心して暮らせるように、地域ごとに組織化して見守りや声かけをボランティアで行っている
福祉電話の貸与 65歳以上 助成額を超える通話料 近くに親族がいない独居老人に、安否確認及び緊急連絡手段のための電話を貸与し、また電話を持っている方には料金の一部(基本料金、通話料300円まで)が助成される

ここで紹介した福祉サービスのほかにも、「認知症の方の徘徊防止お知らせサービス」など市町村独自の福祉サービスがありますので、独居老人の方は安全確保ために、ぜひ利用されることをおすすめします。

独居老人が安全・安心に暮らすためには、周囲の協力がなくては成り立ちません。こういったサービス以外にも近所の人と挨拶をするといったことも、すぐにできる大切な行動でしょう。

独居老人が及ぼす影響

独居老人の社会への影響

独居老人は当事者だけではなく、社会にまで影響を及ぼします。例えば、ニュースなどで報道されているオレオレ詐欺や、孤独死などはまさに独居老人が社会に及ぼす影響や問題といえるでしょう。

高齢者は65歳で定年を迎えて退職します。実は高齢者はこの時点でしっかりと、残りの人生計画をたてなければいけません。なぜなら退職をきっかけに社会との関りが薄くなり、現役時代のようなやりがいや生きがいを感じることが少なくなるからです。

その結果、認知症やうつなどの病気の発症も多くなり、また体の機能の低下により判断力が欠けて詐欺など今まで経験したことのないトラブルに見舞われます。

その結果、自分自身の生活にも影響が出ますし、社会問題として発展していってしまいます。

独居老人の家庭への影響

独居老人が家庭や社会に及ぼす影響はさまざまですが、中でも影響度が最も高いのが独居に多い「一人さみしく息を引き取ることになる孤独死」です。

独居老人の孤独死は原因が何であれ、亡くなられた本人にとって不幸な結果であることに間違いありません。

しかし孤独死は、本人だけではなく遺族や賃貸住宅の大家・管理会社、近隣住民などにも影響します。それは例えば遺体が腐敗しその異臭によって発見されたような場合が挙げられるでしょう。

また亡くなったのが賃貸住宅なら、清掃や残置物の処理、原状回復工事に多大な費用がかかる場合もあります。

孤独死については、下記の記事に詳しく書いていますので、併せて読んでみてください。

高齢者の孤独死は防げるか?

独居老人の安全な生活

独居老人が日々の生活を安全に暮らすための最も簡単な解決策は、家族とともに暮らすことです。しかし、それが叶わない人は、介護サービスや福祉サービスなどあらゆるサービスを利用して社会とのつながりを維持しておくことが必要です。

さらに、緊急時に頼れる人とのつながりをつくっておくことも、独居老人の生活を安全に過ごすための絶対的な条件です。

まとめ

2025年問題と呼ばれる、超高齢化社会はまもなくやってきます。それに伴って独居老人も増加してきます。政府や自治体では独居の孤独死や認知症、介護などの高齢者対策をすでに進めていますが、それで十分だといえるようなものではありません。

独居老人の孤独死や高齢者への虐待など高齢者の問題は色々とあり、政府や自治体の対策に頼るのも必要ですが、まずは身近な人への声掛けや離れて暮らす家族への電話など、できることから始めてみてはどうでしょうか。


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