高齢者福祉制度の問題点と今後について

2000年度に介護保険制度が制定され、高齢者の介護が社会保険で行われるようになってから20年が経ちました。この20年間でも日本の状況は大きく変わっており、高齢者の福祉制度にも様々な問題が起きています。

そこで今回は、高齢者福祉制度の問題点と今後どのようになっていくか、ということについて書いていきます。

福祉制度関係については、下記の記事も併せてお読みください。

高齢者福祉制度ってどんな制度?分かりやすく解説! 社会福祉六法ってどんな法律?

高齢者福祉制度の利用者

介護保険の被保険者の推移

介護保険が施行されてから20年近くになります。この20年間の流れの中で介護保険のいろいろな実績値からみえてくる福祉制度の問題点や、介護保険を利用しないための日常生活おける介護予防策の必要性など紹介します。

まずは、被保険者の増加状況を見てみましょう。

◆65歳以上の第一号被保険者の増加(単位:万人)

2000年4月末 2018年4月末 増減率
第一号被保険者 2,165 3,492 1.6倍

引用先:『平成39年度厚生労働省「公的介護保険の現状と今後」』

20年弱で1.6倍になっています。

要介護認定者の推移

続いて、要介護認定者の増加についてです。

◆要介護認定者の増加(単位:万人)

2000年4月末 2018年4月末 増減率
認定者数 218 644 3.0倍

引用先:『平成39年度厚生労働省「公的介護保険の現状と今後」』

こちらは3.0倍に増加しています。

介護サービス利用者の推移

最後に介護サービスの利用者を見てみましょう。

◆介護サービス利用者の増加(単位:万人)

2000年4月末 2018年4月末 増減率
在宅サービス利用者 97 366 3.8倍
施設サービス利用者 52 93 1.8倍
地域密着サービス 84
合計 149 474 3.2倍

引用先:『平成39年度厚生労働省「公的介護保険の現状と今後」』

ご覧いただいたように、介護を必要とする高齢者とその認定はおよそ20年間で3倍になりました。なかでも要介護認定者と在宅サービスの利用者の数値が圧倒的に高く、この数値から判断できることは、日常生活で要介護者の世話をする家族などの介護者がますます必要になり結果的に介護離職者が増え続ける事態となります。

では介護されることなく自立した生活ができ、また介護離職者も出さずに日常生活を快適に送るにはどうすればよいのでしょうか

それは要介護状態にならないで元気で自分らしくいきいきとした暮らしをすることで、そのためには日常生活で誰にでもできる少しの努力が必要です。

要介護状態にならないためには

運動の推奨

要介護状態にならないためにも日常生活で身体を動かすことが大切です。身体を動かすといっても、ハードなスポーツをしたり、きつい筋トレを頑張る必要はありません。次のようなことをするだけでも十分です。

◆日常生活でできる介護予防運動

  • 散歩をする
  • 車ではなく徒歩で近くのスーパーへ買い物に行く
  • 旅行では歩いて美しい景色を見る
  • 最寄りのバス停ではなく1つの先のバス停から乗車する
  • ストレッチ、ヨガ、フラダンスなど好きなことをする
  • ゴルフ、水泳など自分のペースでしやすいスポーツをする
  • 椅子に座って足の指を狭めたり、広めたりする

これらは日常生活の中で簡単にできる「介護予防策」です。介護状態にならないためにも、無理しない程度に始めてみると良いでしょう。

健康寿命を伸ばす

健康寿命を伸ばすということも、個人レベル、社会レベルで必要になっていきます。今までは、長寿の国として、寿命のみに注目されていました。しかし、昨今はどれだけ健康な状態で生きていけるかという健康寿命に注目が集まっています。

最終的に介護が必要になるかもしれませんが、介護状態が長く続くのは、本人にとっても周囲にとっても、社会にとっても好ましくはありません。そのため、できるだけ健康な状態で生きていられる年齢を引き上げていくような施策が求められています。

高齢化と高齢者福祉制度の問題点

増え続ける高齢者虐待

今後も高齢化はますます進んでいきます。そして、高齢化により高齢者の生活をサポートする福祉制度への需要も高くなるでしょう。そのため、福祉制度がより良いものへなったり、高齢者向けの新しいサービスや商品が出てくることが期待できます。

一方で、介護離職、高齢者への虐待、介護認定調査の審査のバラツキなど高齢者福祉制度の問題も多くなっており、関心が寄せられるようになりました。

その中で今回は、「施設や在宅での高齢者への虐待について」取り上げてみます。

高齢者の虐待件数は次のグラフのように推移しています。

引用先:『平成29年度高齢者虐待調査:厚生労働省』

上の調査結果でもわかるように、高齢者への虐待は年々増加しています。その内容も変化しており、近年は死亡につながるような身体的虐待が増えており、無力な高齢者が無惨な死に至っています。

高齢者の虐待は、施設での虐待件数に比べて、在宅での虐待件数のほうが圧倒的に多くなっています。要因として最も多いのが、介護者が介護疲れなどのストレスが溜まって虐待につながるというものです。特に介護者と要介護者が親子などの近親者の場合が多く、それは、直接的にストレスや不満を要介護者にぶつけやすいためでしょう。これが段々と過剰になっていき、結果として虐待につながっています。

介護が長期化している場合は、周囲の配慮が必要です。また要介護者が、病気や、精神的な問題を抱えている場合、こうしたことが虐待につながることもあります。

高齢者虐待は年々増加傾向にあるため、虐待防止に向けた取り組みも強化されています。特に、2017(平成29)年には、「介護事業者向け」「市町村職員向け」「地域住民向け」に虐待防止について再認識してもらうともに虐待防止についての介護職者の教育を強化をするような見直しがなされました。

このように、虐待の原因を追究し、虐待を未然に防ぐような制度が今後も必要になっていくでしょう。

高齢者福祉と地域包括ケアシステム

施設介護の高齢者の中には、可能な限り住み慣れた地域や自宅で日常生活をおくることを望む人が多くいます。また、地域内で介護が必要な高齢者を効率良くサポートするためには、家族や地域の医療機関、介護の人材が連携し合い、状況に応じて助け合う必要があります。

そこで、地域における「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを一体的に提供できる体制を築くことが、地域包括ケアシステムです。

地域包括ケアシステムはこれからの新しい福祉制度の形態として期待されています。

 高齢者福祉制度の今後の見通し

日本の65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人なり、2055年には総人口の4割近くの3,878万人になると予想されています。

また、75歳以上の高齢者は全人口に占める割合は増加していき、2055年には、25%を超えると予想されています。

◆高齢者の人口推移  (単位/万人)(対人口比%)

2018年 2015年 2025年 2055年
65歳以上高齢者 3,058(24.0%) 3,395(26.8%) 3,657(30.3%) 3,626(39.4%)
75歳以上高齢者 1,511(11.8%) 1,646(13.0%) 2,179(18.1%) 2,401(26.1%)

上記の高齢者の人口推移でもわかるように、少子高齢化が急速に進み現在は現役世代4人で1人の高齢者を支えていますが、2055年には現役世代1人で1人の高齢者を支えるようになります。

高齢化社会が大変なものになっていくことは明確です。それとともに、高齢者福祉の必要性も今より更に高くなるでしょう。特に介護保険制度は国民生活への定着が進み、高齢者の生活を支えるためにはなくてはならないサービスとなりました。

このように、これからの高齢者福祉の見通しを推測すると、少子高齢化は今後、すぐに好転するとは思われません。むしろ高齢者は増え続け、介護保険制度や老人保健制度などの福祉制度への依存度はますます高くなります。

その結果、国の予算の社会保障費が圧迫されて、対策として消費税、保険料、医療費などの値上げ、年金の減額など高齢者は生きている限り「税の負担」を免れることはないように思えます。

まとめ

今回は、高齢者福祉制度の問題点という内容で記事を書いていきました。では、実際にどうしていけばいいのか、ということについては個人レベルではなかなか改善することは難しいのが現状です。いくつか挙げるとするのであれば、介護状態にならないように健康寿命を伸ばしていくようにしたり、政府が行っている制度等の情報をいち早くキャッチし、実行していくことなどが重要でしょう。例えば、消費税増税について、ただ増税のデメリットだけを受けるのではなく、同時に行われている「ポイント還元制度」について理解し、有効活用していくことなども大切なことです。

消費税増税の影響とポイント還元制度については、記事にしていますので、ぜひ併せて読んでみてください。

消費税増税における高齢者への影響 高齢者におけるキャッシュレス決済とポイント還元制度の利用

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