高齢者の孤独死は防げるか?

テレビの報道や新聞では、高齢者に関する交通事故や死亡などが連日報道されています。

なかでも高齢者の孤独死は、高齢化が進む日本において、大きな問題の1つとなっています。行政も現在高齢者の三大重点項目として、「認知症」「孤独死」「虐待」の対策を講じているほどです。

今回は、高齢者にとって深刻な問題の孤独死の現状、背景、原因、対策などについて詳しく書いていきます。

孤独死の実態

孤独死とは

日常的に孤独死という言葉を使っていますが、実際には孤独死という明確な定義はありません。通常は、「自宅で誰にも看取られず孤独のまま死亡する」ことを孤独死と言います。

しかし孤独死は法的な定義がないために警察の死因統計上では「変死」という扱いになっています。行政においては孤立死という言葉で表現されることが多いようです。

年代別に見る孤独死

孤独死は一般的には身寄りがなく、近所付き合いもしない独居高齢者に起こると思われている方が多いようです。その認識の通り、下記の年代別孤独死の発生件数でわかるように60代、70代は孤独死が最も多く発生しています。

◆平成 29年年代別孤独死発生件数

引用先:『日本少額短期保険協会孤独死対策委員会』

しかしながら、現役世代(20代~50代)の孤独死が孤独死全体の37.3%を占めています。これは意外かもしれません。

上記の調査結果から孤独死はけっして高齢者だけに起きるものではないことがわかります。現役世代の特に50代の男性は仕事や家庭での問題を抱えたストレスによる孤独死が多く、また20代から30代の女性は自殺による孤独死が多いことにも注目すべきです。

孤独死における自殺者占有率が下記の表です。

◆年齢別自殺者占有率

引用先:『日本少額短期保険協会孤独死対策委員会』

孤独死は圧倒的に高齢者の発生件数が多く孤独死は高齢者の代名詞かと思われていました。しかし自殺が思いのほか多いことが分かります。死因を分析した表が以下のものとなります。

◆孤独死の死因別人数

死因 病死 自殺 事故死 不明 合計
人数 2,114 382  60 836 3,392
割合(%) 62.3% 11.3% 1.8% 24.6% 100%

引用先:『第4回孤独死現状レポート』

この調査結果からみえてきたものには孤独死は、高齢者だけの社会問題ではないという側面がわかります。

高齢者の孤独死

現役世代(20代~50代)の孤独死が多いというのは認識がなかった人も多いのではないでしょうか。とはいえ、高齢者の孤独死が少ないということではなく、高齢者の孤独死は大きな問題です。

孤独死という言葉が定着し、それを感じている人はどれくらいいるのでしょうか。

 ◆孤独死を身近に感じる割合

引用先:『平成29年度高齢者社会白書(全体版)』

上記の調査結果で「孤独死を身近に感じる」という回答で最も多いのが、一人暮らしの高齢者で45.4%です。これは夫婦二人の世帯に比べると2倍以上であり、一人暮らしの高齢者の2人に1人は孤独死を感じながら生活をしています。

 ◆社会構造の変化による孤独死

ではなぜ高齢者に孤独死が多くなるのでしょうか。その答えは「時代の変化」です。

数十年前の日本では、3世代(祖父母、両親、子供)が同居している家庭というのが、ごくごく当たり前でした。それが、ここ数十年で核家族化が進み、3世代で同居ということが少なくなっています。

そういった時代の変化もあり、高齢者で1人暮らしをする人が多くなりました。その結果として「誰にも看取られず一人さみしく亡くなる」孤独死が増えているのです。

データから見えてくる孤独死の実態

孤独死の男女別割合

前の項目でも少し触れましたが、ここでは、平成29年の同レポートの調査報告から孤独死ついて詳細な部分まで検証していきます。

◆男別孤独死人数(単位:人)(n=3392)

項目   男性 女性 合計 総人口
孤独死人数 2,840 588  3,392 1億2,671千人
65歳以下の割合   50.8%   51.2%  51.0%

引用先:『第4回孤独死現状レポート』

孤独死の人数割合は男性のほうが女性に比べて5倍多いという結果になりました。更にこれを細かく見ていくと次のようになります。

孤独死の発見日数

続いて、孤独死の発見までの日数をみていきましょう。

◆発見までの日数

3日以内 5日~29日 30日~89日 90日以上
全体  40.2%  28.3%   14.8%  2.6%
男性  38.5%  28.8%   15.0%  2.6%
女性  47.9%  26.0%   12.4%  2.9%

引用先:『第4回孤独死現状レポート』

発見までにかかった日数が、1ヶ月以上の割合が15%以上ということが衝撃的です。

孤独死の発見状況

◆孤独死の第一発見者(n=2554)不明者は除く

発見者 親族 友人 管理 福祉 警察 他人 合計
人数  505 323  697  497 159 373 2,554
割合(%) 19.8% 12.6% 27.3% 19.5% 6.2% 14.6% 100%

引用先:『第4回孤独死現状レポート』

◆孤独死の発見に至った状況

訪問 異臭 家賃滞納 郵便物滞留
人数  1,116  481   241   206
割合  54.6%  23.5%  11.8%  10.0%
発見までの日数   13   24   28   22

引用先:『第4回孤独死現状レポート』

発見者はまばらですが、訪問での発見が1番多くなっています。異臭や家賃滞納の場合は、1ヶ月近くは発見されなかったということでしょう。

これらを総合的に分析すると次のようなことが浮かびあがります。

◆孤独死で多い形態

  • 一人暮らし
  • 60歳以上
  • 病気を患っている
  • 死亡後3~4日後に訪問により発見

孤独死による金銭的負担

孤独死は家族に高額な請求がくることもある

孤独死の問題は社会的な問題ではあるものの、金銭的な問題はないように思うかもしれません。しかしながら、そうとも限らないのです。

孤独死で遺体が発見されるまでに時間を要する場合、家族に高額な請求がくることもあります。それは、部屋の原状回復費用です。特に夏場の暑い時期に、クーラーもかけない状態で長期間遺体を放置しているとどんな状態になるか想像はつくでしょう。

その結果、賃貸物件に住んでいる場合は、特殊清掃や部屋の改修工事などを行う必要がでてくるのです。この費用は決して安い金額ではありません。遺体の引き取りを近親者が行った場合はその高額な費用を請求される可能性は大いにあります。

特殊清掃費用

腐敗や異臭が酷くなってくれば、傷みによって部屋が汚れていたり、シミがついたり、害虫が発生しているケースもあります。

そのような部屋をきれいにするには、特殊な薬剤や技術による清掃が必要となり、その清掃作業を「特殊清掃」といいます。現場の清掃をはじめ、消臭や害虫の駆除、除菌などを行います。

この費用は、汚れや匂いの程度によって変わってきますが、10万円~100万円程度かかります。

孤独死による発生する費用

孤独死が発生したときには、家の中にある家財などの残置物の処理も必要になります。これは、保険が適用される場合もあります。

◉残置物処理費用(単位:円)

平均損害額 平均支払保険金
214,120 270,342

孤独死の現場は遺体の状態にもよりますが、家族や近親者がその現場で遺品の整理や片付けを行うことは難しいため、専門の業者に残置物処理として特殊清掃業者に依頼します。

◉原状回復費用(単位:円)

平均損害額
361,392

原状回復費用は一般的には退去時に敷金で精算されます。しかし原状回復費用の範囲などでトラブルも多いようです。

孤独死で亡くなった方は、誰にも看取られることなく無念の死を遂げられたことだと思います。しかし残された家族や近親者がいる場合は、遺体の状態によっては上記の費用が請求されることがあります。

孤独死は先の項目でも説明したように、早期発見がポイントになります。

孤独死を防止するには

孤独死の防止対策

孤独死に関しては、現在、大きな社会問題として取り上げられており、官民合わせた総合的な防止対策が講じられています。

◆法整備による防止対策

法整備の面では高齢社会対策基本法などによって孤独死は総合的な高齢者問題のひとつとして取組みが進められています。2017年10月25日に施行された「新たな住宅セーフティネット制度」では、自治体と民間が協力して「居住支援協議会」を設立し、高齢者などの見守りを含むサービスを実施することが盛り込まれています。

◆自治体よる防止対策

孤独死に関しては自治体も積極的に防止対策に乗り出しています。地域での孤立を防ぐために、町内会や自治体による地域コミュニティづくりも多くの地域で進められています。

高齢者の孤独死を未然に防ぐことは重要ですが、死因で最も多いのが病死であることから、「死」自体をを未然に防ぐことは難しいことです。そのため「孤独」な状況を防ぐことが、我々に出来ることでしょう。

そこで生活状況から安否確認をするなど、自治体やボランティアによって防止策として次のような方法が取り入れられています。

  • 新聞や郵便物の配達員が、配達物の溜まりぐあいによって安否確認をする
  • 電気や水道、ガスの使用状況から生活状況を把握する
  • 人の動きに反応する人感センサーを家の中に設置し、家の中での活動状況を把握する
  • 民生委員や自治体の職員が家庭訪問をする

◆福祉サービスの利用

孤独死の発見までにかかる日数は平均で17日であり、3日以内の発見は4割にとどまっています。市町村にある見守りサービス等の福祉サービスを積極的に利用することも、早期発見へ繋がります。

孤独死にどう向き合うか

高齢者の孤独死に関しては、国や地方自治体も積極的に防止策に取り組みを行っています。特にCSW(コミュケーション・ソーシャルワーカー)によって、地域との接点の向上を図り、孤立化を無くしていく動きがあり、これは今後ますます発展していくでしょう。

忘れてはならないこととして、「孤独死」の問題は決して高齢者だけの社会問題ではないということです。20代から40代の女性の70%近くが孤独死による自殺者であること、さらに20代から30代までの女性で60%以上を占めているという、この事実に向き合う必要があるのではないでしょうか。

地域社会との孤立化というのは、高齢者や若者を含む単身者だけでなく、日本全体で起きています。インターネットが普及し、地域のコミュニティとの隔絶が起きている現代では、「家族」「同居」「町内会の付き合い」などの必要性が再び浮き上がって来ました。IT化の更なる発展と普及により、遠くに居ながらも孤立しないようなコミュニティを作るか、もしくは、昭和の時代のリアルな地域社会との関わりを持つ必要があるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで高齢者の孤独死について紹介してきました。この問題は高齢者をもつ家族にとっては切実な問題と言えます。

孤独死にならないように家族との生活を望みますが、家庭環境で実現できない高齢者が多く一人暮らしを余儀なくされます。その際の家族の役目として、最低限安否確認や生活動向の確認ができる体制を整える必要があるでしょう。

 


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