作業療法士とは?仕事内容や年収を解説!

現在の日本は、急速に高齢化社会となってきています。そして高齢化とともに、介護を必要とする高齢者も増加しています。

その中には、日常生活に必要な機能が加齢や病気が原因でリハビリが必要な高齢者がいます。そのような時に活躍するのが、「作業療法士」です。今回は、普段あまりなじみがない、作業療法士について詳しく紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

作業療法士の仕事内容と年収

作業療法士とは

作業療法士とは、リハビリテーションの専門家のことです。医師の指示のもとに「作業療法」という治療法で、低下した体の機能を回復させるために、治療・支援をします。

作業療法の定義

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

作業療法が適用できるのは、子供から高齢者まで年齢を問いません。

また、作業療法士は患者や利用者の体に触れて治療を行うだけではありません。福祉用具の導入など、患者の機能回復に総合的に必要とされることを支援することが求められます。

作業療法士の役割

作業療法の「作業」とは何かを理解すると、作業療法士の役割が見えてきます。 「作業」とは我々が毎日行っている「生活行為」のことです。では生活行為とはどのようなことを指すのでしょうか。具体的な内容を次の図に示します。

それでは、普段の生活の中でどのような「作業」があるかを、具体的な例を元に考えてみましょう。

◆例:スーパーに買い物をしに行く

  • スーパーまで歩く ⇒ 体を動かす運動
  • 買い物をする ⇒ 商品を選ぶ行為
  • 献立を決める ⇒ 献立を考えること、決めること

このように、私たちの日常生活には多くの作業があり、この作業は生活していくための大切な要素です。作業療法士の重要な役割は、様々な要因でこの作業をうまく行うことができない患者さんの機能を回復させ、自分自身で作業ができるように支援をすることです。

作業療法士の仕事内容

作業療法士は、加齢や病気で身体的障害・精神的障害をもった患者さんを、リハビリテーションを用いて、日常生活や社会生活が障害を持っても行えるように心身機能の回復を行い、身の回りのことを自分自身で対処できるようにサポートします。

そのために、患者さんの身体的活動・精神的活動・社会的活動・創作活動を通じて、社会復帰に向けた訓練や指導を重ねていきます。

具体的な仕事内容としては次の4つが挙げられます。

  1. 身体機能の回復
  2. 高次脳機能の回復
  3. 生活機能の回復
  4. 社会技能の回復

身体機能の回復

関節の動きを滑らかにして患者の筋力を強化させ、感覚機能を改善させることで、日常生活に必要な運動能力を高めます。

高次脳機能の回復

日常生活に必要な能力を高めます。また、患者が知的障害者の場合は、レクリエーションなどを通じて精神面にも働きかけ、感情表現を豊かにすることなどを行います。

生活機能の回復

食事、着替え、入浴および洗顔といった身辺動作や家事動作など、日常生活をおくる上で必要な動作の訓練をします。また、手工芸、粘土細工および楽器演奏などの作業による機能の回復も行います。

社会技能の回復

患者さんが通常の生活に復帰した時、日常の活動が問題なくでき社会へ適応できるよう、患者に残っている能力を最大限に引き出し、仕事や社会生活に必要な問題解決能力、学習能力および対人関係能力などを向上させます。これはロールプレイなどを通じて行います。

自立した生活や職場復帰ができるようにすることが、作業療法士の最大の仕事と言えます。

作業療法士が活躍できる場所

作業療法士が活躍できる職場は、次の4つに分類されます。

  1. 身体障がい領域
  2. 老年期障がい領域
  3. 精神障がい領域
  4. 発達障がい領域

以下に、それぞれで該当する職場や特徴を挙げます。

◆身体障がい領域

  • 総合病院、大学病院、整形外科病院
  • リハビリテーションセンター
  • 身体障がい者更生施設、身体障がい者福祉センター
  • 保健所、保健センター

⇒4つの領域の中でも圧倒的に数が多い

 ◆精神障がい領域

  • 精神科病院、メンタルクリニック
  • 精神科デイケア
  • 精神保健福祉センター、精神障がい者支援センター
  • 精神障がい通所授産施設

◆老年期障がい施設

  • 認知症専門病院
  • リハビリテーションセンター
  • 療養型医療施設、老人保健施設、在宅介護支援センター
  • 特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター
  • 訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション

⇒高齢化に伴って需要が増えている

◆発達障がい領域

  • 小児病院
  • 発達障がい児(者)支援センター
  • 児童デイサービス、母子通園施設
  • 児童福祉施設、養護学校
  • 幼稚園、保育所
  • 保健所、保健センター

このように作業療法士は総合病院をはじめとして福祉施設、障がい者施設等多くの患者さんが必要としています。さらに、今後は超高齢化社会になっていくこともあり、作業療法士の活躍の場はより一層増えていきます。

作業療法士の年収と理学療法士との比較

作業療法士の年収

厚生労働省が平成28年11月発表の「賃金基本統計調査」によると作業療法士の年収は、次のような結果が出ています。

従業員数 ~10人 10~99人 100~999人 1000人~
平均年収 407万円   414万円   407万円  423万円

引用:『平成28年作業療法士平均年収統計』

作業療法士の年収などの待遇面は、勤務先の規模、内容によっても変わります。また作業療法士として活躍するには経験も必要とされる場合が多いです。 そのため、資格を持てば同じような給与になるという訳ではなく、年代などによっても年収に幅があります。

例えば、同調査結果によると30代男性の平均年収は450万円前後30代女性は412万円前後です。年収がピークを迎える50歳代の平均年収は、男性で600万円女性で500万円程度となっています。

作業療法士の年収は、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師といった医師・看護師の他の医療従事者の平均年収と比較すると、中位からやや低位レベルですが、全業種との比較では中位レベルに位置づけられます。

過去5年、10年の調査結果を見ても大幅な増減は見られず、ほぼ横ばい状態です。今後もこの傾向が続く可能性が高いと考えられます。

作業療法士と理学療法士の違い

理学療法士と作業療法士の違いは次のような内容です。

作業療法士 理学療法士
仕事内容
  • 入浴や食事など日常生活の動作や、手工芸、園芸及びレクリエーションまであらゆる作業活動を通して、体と心のリハビリテーションを行う
  • 躁うつ(そううつ)病および摂食障害などの精神障害の患者も対象
  • 幅広くリハビリテーションの医療現場で活躍
  • 寝返る、起き上がる、立ちあがる及び歩くなど、日常生活で必要な基本動作ができるように体の基本的な機能回復をサポートする
  • 歩行練習などの運動療法や、電気・温熱・光線などを使った物理療法を用いて身体の機能や動作の回復を促す
  • 自立した日常生活が送れるようにバックアップする
資格 国家資格 国家資格
年収 450万円(年齢30歳) 471万円(年齢30歳)

引用:『平成28年度賃金構造基本統計調査』

どちらの資格も国家資格で、年収にも大きな差はありません。仕事内容としては、「日常の作業」を支援するのが作業療法士で、「身体の動作」を支援するのが理学療法士となります。

作業療法士になるには

作業療法士国家試験への道のり

作業療法士になるには年1回の国家試験に合格する必要があります。国家試験を受けるまでの「作業療法士国家試験への道のり」は下記の図の通りです。

 

作業療法士資格取得のための履修内容

専門の知識と技術を93単位以上学ぶことが法律で定められています。カリキュラムは基礎科目、専門基礎科目、専門科目に分かれています。

[基礎科目]

主に1年次に履修します。人文科学、社会科学など基礎的な科目を学び社会人としてまた医療技術者としての教養を身につけます

[専門基礎科目]

体の構造や機能、リハビリテーションの理念など専門的に学びます。

[専門科目]

基礎作業療法学・作業療法評価学・作業治療学など作業療法についての専門科目を学びます。

専門学校または大学の作業療法士養成課程で上記科目を学び、規定の単位を取得することで国家試験受験資格を得る事ができます。

国家試験の要項

作業療法士の国家試験は毎年2月に年1回実施されます。2019年第54回の国家試験が次の内容で実施されました。

  • 試験日:(筆記試験)2019年2月24日(日) (口述試験および実技試験)2019年年2月25日(月曜日)
  • 試験地:(筆記試験)北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県および沖縄県(口述試験、東京都)
  • 試験科目:(一般問題)  解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学および作業療法
  • 実地問題:運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学および作業療法
  • 口述試験および実技試験:重度視力障害者に対して、筆記試験の実地問題に代えて次の科目について行う。運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学および作業療法
  • 受験資格:文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した作業療法士養成施設において、3年以上作業療法士として必要な知識及び技能を修得したもの
  • 受験手続:受験には次の書類の提出が必要です。受験願書・写真(6cmx4cm)・返信用封筒・卒業証明書もしくは卒業見込証明書
  • 受験手数料:10,100円の収入印紙を願書に貼ることによる納付
  • 合格発表:2019年3月25日(月)午後2時より発表

引用:『厚生労働省作業療法士国家試験の施工』

作業療法士の国家試験合格率

作業療法士の国家試験での合格率は次のように70%~80%でこの合格率は他の医療・福祉関連の合格率に比べると多少難易度が高くなっています。

平成30年2月25日(日)に実施した作業療法士の国家試験合格者数などは下記のとおりです。

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
作業療法士 6,555人 6,358人 4,351人 71.3%
(新卒者) 5,289人 5,137人 4,108人 80.0%

引用:『厚生労働省国家試験合格発表』

作業療法士と他の医療・福祉関連国家試験合格率推移

平成 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年
ケアマネージャー 22.8% 21.8% 23.6% 20.5% 15.3% 19.2% 15.6% 19.2% 15.6% 13.1%
作業療法士 73.6% 81.0% 82.2% 71.1% 79.7% 77.4% 86.6% 77.5% 87.5% 83.7%
理学療法士 86.6% 99.9% 92.6% 74.3% 82.4% 89.0% 83.7% 82.7% 74.1% 90.3%
介護福祉士 51.3% 52.0% 48.3% 63.9% 64.4% 64.6% 61.0% 57.9% 67.8% 72.2%

上記の合格率の過去の推移でもわかりますように作業療法士は、ケアマネジャーや介護福祉士に比べると合格率のハードルは低いようです。

※ケアマネジャーは国家試験ではなく、都道府県での試験

作業療法士の学科がある大学・専門学校

これから作業療法士を目指す方へ、資格取得のための学校を一覧で紹介します。

作業療法士の学科がある学校一覧

種類 大学名 場所 担当学科
国立大 広島大学 広島県 医学部保健学科 作業療法学専攻
国立大 金沢大学 石川県 医薬保健学域 保険学院 作業療法学専攻
国立大 神戸大学 兵庫県 医学科作業療法専攻
計3校
公立大 首都大学 東京都 健康福祉学部作業療法学科
計1校
私短大 愛媛医療学院短期大学 愛知県 リハビリテーション学科
私短大 白鳳短期大学 奈良県 リハビリテーション学科
私短大 岐阜保健短期大学 岐阜県 作業療法学専攻
私短大 仙台青葉学院短期大学 宮城県 作業療法学専攻
私短大 平成医療短期大学 岐阜県 作業療法専攻
計5校
私立大 杏林大学 東京都 作業療法学科
私立大 新潟医療福祉大学 新潟県 医療技術学部 作業療法学科
私立大 吉備国際大学 岡山県 医療技術学部 作業療法学科
私立大 九州保健大学 宮崎県 作業療法学科
計64校
専門学 アール医療福祉専門学校 作業療法学科
専門学 多摩リハビリテーション学院 作業療法学科 (3年)
専門学 鳥取市医療看護専門学院 作業療法士学科
専門学 東京福祉専門学校 作業療法士課
計79校

作業療法士の夜間での学科がある学校

学校名 所在地 特色
日本リハビリテーション専門学校 東京都 即戦力としの 作業療法士の育成を心がけている学校
東京福祉専門学校 東京都 実習用の現場は学校内に設置されていて実習を重視している学校
大阪医療福祉専門学校 大阪市 様々な社会入試の特典が 揃えてあります
社会医学技術学院 東京都 作業療法士 理学療法士 の育成に力を注いでいる学校
京都医療専門学校 京都市 スポーツ・医療・福祉・ビューティーの総合的学校
関東リハビリテーション専門学校 立川市 少年人数クラスで 社会人入試制度あり
大阪医療福祉専門職大学 大阪市 西日本で唯一医療・福祉・看護統合している専門職の大学
大阪リハビリテーション専門学校 大阪市 色々なサポート体制があり 働きながら最短で資格取得者
八千代リハビリテーション学院 千葉県 実習の様々な設備が 充実している

以上が、作業療法士の資格取得のための学校情報です。入学時には必ず体験入学を行って、学校の内容を十分に把握されることが必要です。

まとめ

これからの日本は高齢化がさらに加速して2025年にはピークを迎えることになります。高齢化と同時に心配されるのがリハビリを必要とする要介護者も増えてきます。

その状況に対応できる作業療法士へのニーズはますます高くなっていくでしょう。

手に職をと考えている方や、介護職の中で何かしらの国家資格を目指したいと考えている人は「作業療法士」の資格を目指すのも良いのではないでしょうか。


【介護転職サイト】ランキングBest3!

第1位  きらケア

  • 求人数80,000件超
  • 介護資格取得支援
  • 派遣専門サイトもあり
  • ・求人数     ★★★★★
  • ・使いやすさ   ★★★★☆
  • ・サービス    ★★★★★
  • ・総合      ★★★★★
ここがおススメ!
求人数も多く、登録必須のサイト!! 
◆対応エリア  全国エリア   ◆特徴 第1位は「きらケア」です。「きらケア」は総合的に優良なサイトです。主な特徴としては、求人件数が80,000件超と業界トップレベルの件数で、特に主要都市での求人件数が多くなっています。また、独自のサービスとして、「介護職員初任者研修」の講座を無料で受けることもできます。そのため、他業種からの転職など、初めて介護に携わる場合には非常におすすめです。
     

第2位  かいご畑

  • 求人数10,000件超
  • 介護資格取得支援
  • 優良派遣事業者認定
  • ・求人数     ★★★★☆
  • ・使いやすさ   ★★★★☆
  • ・サービス    ★★★★★
  • ・総合      ★★★★★
 ここがおススメ!
転職すると介護資格が0円で取得できる!! 
◆対応エリア  北海道、関東、関西、北陸、東海、中国、九州地方 (北海道、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県)   ◆特徴 第2位は「かいご畑」です。「かいご畑」は資格取得支援制度に力を入れているサイトです。主な特徴としては、資格取得支援制度があり、転職者の資格取得支援を無料で行っているということです。未資格者が「介護職員初任者研修」の資格を無料で取れるだけではなく、介護職唯一の国家資格である「介護福祉士」の受験対策講座を受けることもできます。求人件数は10,000件程度で業界中堅クラスの件数で、対応エリアも限られていますが、エリア内の求人は充実しています。そのため、資格取得に意欲的な人には非常におすすめです。
     

第3位  スマイルSUPPORT介護

  • 求人数100,000件弱
  • 非公開求人多数
  • 人材コンサルタント
  • ・求人数     ★★★★★
  • ・使いやすさ   ★★★★☆
  • ・サービス    ★★★★☆
  • ・総合      ★★★★★
ここがおススメ!
業界トップレベル!求人数10万件!
◆対応エリア  全国エリア   ◆特徴 第3位は「スマイルSUPPORT介護」です。「スマイルSUPPORT介護は求人件数が多くバランスの取れたサイトです。主な特徴としては、100,000件弱の業界トップレベルの求人件数があり、特に主要都市での求人件数が多くなっています。地方についても、そもそもの求人件数が多いため、他サイトと比較すると充実しています。また、非公開求人が60,000件超あるため、他のサイトでは得られない求人情報を得ることができます。そのため、多くの求人情報からより良い職場を選択したいと考えている人は必須のサイトです。
     

番外編  きらケア介護派遣

  • 求人数20,000件超
  • 介護派遣に特化したサイト
  • 介護資格取得支援
  • ・求人数     ★★★★☆
  • ・使いやすさ   ★★★★☆
  • ・サービス    ★★★★★
  • ・総合      ★★★★★
ここがおススメ!
介護派遣に特化!資格支援制度もあり!
◆対応エリア  全国エリア   ◆特徴 番外編は「きらケア介護派遣」です。「きらケア介護派遣」は介護派遣に特化したサイトです。求人件数が20,000件超と介護派遣に特化しているのにも関わらず、多くの求人が掲載されています。また、姉妹サイトとして「きらケア」があり、このサイトと同様に独自のサービスとして、「介護職員初任者研修」の講座を無料で受けることもできます。そのため、「派遣」として働きたい人や介護未経験者には非常におすすめです。
 

この続きは下記の記事に詳しく書いています。こちらも参考にしてみてください。 【介護転職サイト】おすすめランキングBest10!~まとめて比較~