介護の仕事と聞くと、どのような仕事を想像しますか?
恐らく、「介護福祉士」「ヘルパー」「ケアマネージャー」などを思い浮かべる人が多いでしょう。確かに、介護の仕事や職種を見ていくと、要介護状態になったときに、介護をする仕事や相談に乗るような仕事が大半を占めます。
しかし、医療の分野に目を移すと「予防医療」という言葉が一般的に浸透してきており、病気になった後にどうやって治すかということよりも、病気にならないためにどうするかということが重要視されてきています。
また、高齢者社会の中で、単に寿命が伸びるということよりも、「健康寿命」つまり、病気や介護が必要ない健康状態での寿命が注目されています。
今後は介護の分野でも、要介護状態にならないためにどうすればいいのかということが、重要視されていくようになるでしょう。
ということで今回は、介護の中でもそういった分野で活躍できる「介護予防運動指導員」について書いていきます。
目次
介護予防運動指導員とは?
「介護予防運動指導員」とは、その名の通り介護予防についてのスペシャリストであり職種の名前でもあります。要介護状態になる前の高齢者に対し、身体能力の維持・向上を通して要介護状態になることを防ぐ仕事をします。
予防のために筋力トレーニングで転倒しないような身体づくりを行い、食事や口腔ケア等の生活の質を向上させる指導も一緒に行っていきます。指導の際には医療・福祉職と協力して行う場合もある為、広い視野と知識が求められる職種です。
介護予防運動指導員の仕事内容
介護予防診断で状態を把握
介護予防運動指導員は介護予防診断を定期的に行う必要があります。診断には東京都老人総合研究所で開発された「おたっしゃ21健診」を利用します。おたっしゃ21は21個の項目からなるチェックリストです。
21の項目中で体力測定は以下の3項目になっています。
- 握力測定
- 片足立ち可能時間
- 5メートル間の通常歩行速度
その他にも1人で階段昇降が可能か、趣味があるかなどの18の項目から心身の状態を検査していきます。チェックリストからそれぞれに合わせて、予防プログラムを作ります。
円滑な介護予防の指導の為には、高齢者との良好な関係が欠かせません。こちらを信用して貰えないと、いくら良質な予防プログラムを作成しても、真剣に取り組んで貰えず上手く効果がでないこともあります。
その為、介護予防運動指導員には、単純な技能以外にも人間関係を円滑に進めるコミュニケーション能力が必要になっていきます。
個人に適した予防プログラムを作成
高齢者の状態を把握したら、生活や体力に応じた介護予防プログラムを作成していきます。プログラムの内容は個人ごとの目標にもよって変化し、プログラムによっては医療、福祉スタッフと協力して行う場合もあるでしょう。
主なプログラムとしては筋力向上を目的としてのトレーニングで、道具無しで行う場合もあれば、筋トレ機材やゴムバンド等の道具を利用して行うこともあります。筋力向上の際は、ストレッチで柔軟性を高めることも必要です。
筋力トレーニング以外にも口腔ケアの指導や、普段の食事指導で生活の質を高める為のアドバイスも行う場合があります。指導後は必ず評価を行いどのくらい効果があったのか、プログラムを継続か改良するかの判断が必要です。
介護予防運動指導員の資格取得をするには
資格取得の為には研修受講が必要
介護予防運動指導員の資格を取得する為には、専門の学校で養成研修を受ける必要があります。学校の殆どは東京都に集中していて、学校が開かれていない都道府県の方が多いです。
その為、近くに学校が無い方の場合休みを貰って受講する必要もあります。ハードルは高いですが、有資格者も少なく専門性の高い勉強ができる為必ず自分の力になる資格と言えます。
ただし、専門性の高さから受講対象者の制限があります。対象になる資格は数多くありますが、介護職の場合だと実務経験が必要な場合と必要ない場合の2つがあります。
◆受講資格
- 初任者研修修了者で2年以上の実務経験がある
- 実務者研修修了者、介護支援専門員、介護福祉士のいずれかの資格を所有している
資格を所有していない方は受講することはできません。介護予防運動指導員を目指すのであれば、まずは受講対象になる資格の取得から始めましょう。
研修にかかる費用は約9万円前後です。これは受講した学校によっても多少の変動があります。
研修で学べること
研修は31.5時間で構成されており、内15時間は実習となっています。実習の殆どは高齢者筋力向上トレーニング特論といった講義に充てられており、この講義では実習が10.5時間、講義が1.5時間です。
実習の大部分を占める筋力向上トレーニングの講義以外にも転倒や失禁予防の為の勉強や、口腔機能を向上させる為の勉強も合わせて行います。
介護士であれば失禁した後の対応は慣れていますが、そもそも何故失禁に至るのかという所は分からない方も多いと思います。研修では失禁が何故発生するかの原因だったり、原因毎の予防、改善策などについて詳しく学んでいくことが可能です。
他の項目についても介護資格からでは学べない勉強がすることができるので、介護予防運動指導員として働かなくても勉強した知識は様々な場面で活かせるでしょう。
対象者は高齢者なので認知症の理解を深める講義や、介護予防は何故必要なのかといった知識を深める講義も用意されています。
研修日数は全3日間が目安であり、短期間で取得が可能です。
まとめ
介護予防運動指導員は、従来の介護とは違い介護生活にならないような支援ができる職種です。介護職よりはリハビリ的な側面が強いので介護職では学べないような専門分野を学べます。
受験できる学校は少ないですが北海道、東京、埼玉、群馬。関西方面に京都、兵庫にあるので、そこから1番行きやすい所を選んで行くことになるでしょう。
リハビリ職に興味があるが、費用と学校に通うのにためらいを感じている方におススメです。受講費は9万円程度で、平均3日間で資格取得が可能なので気になる方は是非受講することを推奨します。


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