公的・民間介護施設の種類と特徴~費用や選び方について

自宅での介護が不可能な場合、施設への入所を考えると思います。

しかし一口に施設と言っても公的や民間の施設があり、目的によって色々な種類があります。そこで今回は介護施設の種類や特徴、利用方法まで詳しく紹介します。

ぜひ施設探しの時の参考にしてください。

公的介護施設とは

介護施設に入る選択

介護が必要になった時に、在宅介護か介護施設に入るかという選択があります。特に、自宅が介護に適していない場合や、24時間介護ができる家族が近くにいない場合には、介護施設に入るという選択肢が現実的です。

公的な介護施設であれば、「介護保険」を適用することができます。介護保険が適用になると、自己負担1割、もしくは2割負担で利用できます。

利用金額も後の項目で詳しく紹介しますが、民間の老人ホームに比べてかなり格安に利用することができます。

公的介護施設の種類

公的介護施設に入所するにあたって、まず公的介護施設にも種類があることを認識する必要があります。公的介護施設は次の3つタイプの施設です。また平成28年10月1日現在の施設数を紹介します。

◆公的介護施設の種類と施設数

特別養護老人ホーム(特養)   7,705

介護老人保健施設(老健)         4,241

介護療養型医療施設                 1,324         

合計                 13,270   

 

引用:『平成28年介護サービス施設 事業所調査』

公的介護施設はこの3つに分類されますが、その他に目的や資産状況にあった施設の軽費老人ホームやケアハウスなどもあります。

公的介護施設の特徴

公的介護施設の特徴としては、公的施設なために介護保険の施設サービスとして低料金で利用できることです。一部の施設では、助成金制度の対象となっていることもあります。

また特養などでは人生の最期まで過ごすこともできます。

まずは各施設の特徴をみていきましょう。

◆各施設の特徴

施設名 施設の特徴
特別養護老人ホー
    • 入居の順番は申し込み順ではなく、介護度や緊急性の高い方が優先
    • 待機者は非常に多く、地域によっては入居まで数ヶ月~数年かかる
介護老人保健施設
    • 在宅復帰を目指す、病院と自宅の中間的な施設
    • 退院後すぐの在宅生活が難しい要介護1以上の方が対象
    • 入居期間は原則3~6ヶ月(例外あり)
介護療養型医療施設
    • 医学的管理が必要な要介護1以上の方を対象にした介護保険施設
    • 将来的に療養型は廃止予定

実際に介護施設を選ぶときは、要介護者の介護状態などによって適切な施設が違ってくるので、ケアマネジャーからいろいろな情報を紹介してもらうことも必要です。

特別養老老人ホームとは?費用やサービスを解説!

公的介護施設の利用方法

公的介護施設を利用するには

公的介護施設は、介護保険の施設介護サービスとして利用できます。

このサービスを受けるためには次のような利用手順により利用が可能です。施設介護サービスを受けるには、申し込みを行ってすぐに入所できません。施設にもよりますが1ヵ月から2ヵ月はかかります。

介護施設には後の項目で紹介します民間の老人ホームもありますので、まずは介護施設の情報を集めることが第一歩です。

介護施設入所までの手順

介護施設に入所するまでには、以下の3つのステップか必要です。

  1. 資料請求
  2. 施設の見学と体験入所
  3. 契約

1.資料請求

今はインターネットで多くの情報を入手できます。介護施設を選ぶ時に、施設の比較をすることはとても重要なことです。そのためには介護施設の資料、情報は多く取り寄せて検討することが必要です。

情報の入手先にケアマネジャーは欠かせない存在です。施設の紹介や手続きの方法など細かな部分まで相談にのって貰えます。

2.施設の見学と体験入所

入所する本人がまず気に入るかが重要で、そのためには取り寄せた資料だけで契約はしないように注意しましょう。資料やケアマネジャーからの紹介で施設を絞るとあとは必ず利用者本人と同行で見学、さらに体験入所を行って本人の意向を必ず確認することが必要です。

体験入居中に特に問題がなければ契約手続きを行い、自宅には戻らずにそのまま「本入居」となる方が大半のようです。

3.契約

見学や体験入居で問題がなければ、入居契約を結びます。契約の際に「入居契約書」など契約関連書類ついて説明があるので、納得のうえ署名・捺印をします。中でも、お金について毎月の基本料金のほかにどのような費用が発生するのか、入居一時金の返還規定、退去後の費用なども確認しておくことも必要です。

その他の公的介護施設

介護施設サービスをとしての公的介護施設の代表的な3つの施設を紹介しましたが、公的介護施設は目的によっても利用できる、次のようなタイプの施設もあります。

施設名 目的と特徴
軽費老人ホーム(A)型
  • 自立できる要支援の高齢者を受け入れ
  • 見守りと食事の提供
軽費老人ホーム(B)型
  • 自立できる要支援の高齢者を受け入れ
  • 見守りのみ
ケアハウス
  • 60歳以上の高齢者が、食事や洗濯などの介護サービスを受けられる
  • 別名「軽費老人ホームC型」
  • 助成制度が利用できる
  • 低所得者の費用負担が比較的軽い

公的介護施設の入所条件

公的介護施設にはそれぞれ入所の条件があります。年齢や、介護状態、資産状況などについての制限の他に、認知症の要介護者は施設の入所条件が限定されることが多くあります。

◆施設別入所条件

施設名 要介護度 年齢・条件 入所期間 認知症
特別養護老人ホーム 要介護3以上

  • 65歳以上
  • 64歳以下の16疾病の方

終身 受入可
介護老人保健施設 要介護1以上

  • 65歳以上
  • 医療ケアやリハビリを必要とする要介護状態の方

3ヵ月~6ヵ月 受入可
介護療養型医療施設 要介護1以上

  • 65歳以上
  • 医学的管理が必要な要介護1以上の高齢者

終身制ではない(心身の状態が改善してきた場合退所) 受入可
軽費老人ホーム(A)

軽費老人ホーム(B)

自立した生活が可能な方

  • 60歳以上(夫婦はどちらか一方)
  • 「A型」「B型」は自分で身の回りの世話ができる
  • 月収34万円以下等

介護が必要になった場合、特養などに移る必要がある 受入不可
ケアハウス 要介護1以上

  • 60歳以上(夫婦はどちらか一方)
  • 自宅での自立した生活に不安があり、家族の援助を受けられない方

「身の回りの世話ができる」「身寄りがない」「共同生活に適応できる」などこれらの基準に満たない人は退所 介護型は受入可

公的介護施設の入所条件はそれぞれ違います。入所には、各施設での入所条件も併せて確認するようにしましょう。

公的介護施設の料金と

特別養護老人ホームでかかる費用

公的介護施設は低料金で利用できるところがメリットとしてありますが、月額の費用がいくら必要になるか不安な方も多いでしょう。

そこで、ここではサービス内容と、それぞれの月額を個別にみていきます。

まずは基準となる、「特別養護老人ホーム」の月にかかる支払項目についてです。

◆月額支払い項目

支払い項目 費用内容
施設介護サービス費
  • 施設介護サービス費は介護を受けるための費用
  • 要介護度又は居室のタイプによって異なる
介護サービス費加算
  • 施設で対応する処置やサービスなどに応じて基本料に加算される施設介護サービス費
居住費
  • 家賃に相当する費用
食費
  • 食費は一日3食分が含まれている
日常生活費
  • 医療費、理美容、被服費、入場料などが発生するレクリエーション費
  • 嗜好品などは自己負担

◆施設介護サービス費

要介護度 多床室/従来型個室 ユニット型個室/準個室
要介護1 16,710円    19,080円
要介護2 18,750円       21,090円
要介護3     20,850円       23,280円
要介護4     22,890円       25,290円
要介護5     24,870円  27,300円

*月額30日計算

◆介護サービス加算(主なサービス加算)

加算項目 入所後30日まで加算
サービス提供体制強化加算 介護福祉士の配置割合や勤続年数に応じて加算
看護体制加算 看護師の人数や体制による加算
介護職員処遇改善加算 介護職員の処遇を改善するための加算
外泊時加算 1か月に6日以上外泊する場合に加算

費用の金額感

続いて、上記に挙げた内容のサービスを受けるために、どの程度の費用が必要なのかを書いていきます。

居住費(基準費用額)

◆家賃に相当する費用

多床型        840円/1日 25,200円/月

ユニット個室  1,970円/1日    59,100円/月

食費(基準費用額) 

◆3食分

1,380円/1日 41,400円/月

 日常生活費(基準費用額なし)

医療費、理美容、被服費、入場料などが発生するレクリエーション費、嗜好品などは自己負担になります。

◆1ヶ月費用

~10,000円/月

施設別の月額費用例

特別養護老人ホーム

◆要介護3、ユニット型入所

施設介護サービス費  23,280円 (776円x30日)
介護サービス加算    1,567円
居住費   59,100円 (1,970円x30日)
食費   41,400円 (1,380円x30日)
日常生活費   10,000円
総額 135,347円

介護老人保健施設

公的な介護保険施設の1つである老健は、入居一時金などは特養と同じで初期費用は必要ありません。入所後に月額費用として

「介護サービス費」と「生活費(居住費・食費・その他日常生活費)」を負担します。

◆要介護3、ユニット型個室入所

施設介護サービス費 26,310円 (877円x30日)
居住費 50,700円 (1,690円x30日)
食費 54,900円 (1,830円x30日)
特別室料(個室) 150,000円 (5,000円x30日)
総額 281,910円

介護療養型医療施設

他の公的介護施設と同様に初期費用は必要ではありません。しかし老健や介護医療院への転換が決まっており、2024年3月末までに廃止の予定です。

◆要介護3、ユニット型個室入所

施設介護サービス費 32,790円 (1,093円x30日)
介護サービス加算    1,567円
居住費   59,100円 (1,970円x30日)
食費   41,400円 (1,380円x30日)
日常生活費   10,500円 ( 350円x30日)
総額 145,357円

民間介護施設の費用と利用方法

民間の介護施設の種類と料金

公的介護施設民間介護施設との利用上の違いは、入居一時金などの費用や介護サービスの内容などが異なってきます。

民間の介護施設は入居一時金や月額費用が必要ですが、公的施設のように定額料金で決まっていません。施設ごとに、さまざまな料金プランが設定されていますのでここで紹介します。

◆民間介護施設の種類

入居対象者 施設名 特徴
要介護状態
〜箇条書き〜
介護付き有料老人ホーム
  • 介護スタッフがサービスを提供する施設
  • 「特定施設入居者生活介護」と呼ばれるサービスを提供する認可を受けて初めて「介護付き有料老人ホーム」として運営することができる
要介護状態 住宅型有料老人ホーム
  • 介護度の規定はない
  • 生活支援サービスや医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービスなどが受けられる施設
要介護状態 グループホーム
  • 要支援2以上で原則65歳以上の認知症高齢者
  • 施設がある自治体に住民票を持つ方が入居できる
自立状態 サービス付き高齢者住宅(サ高住)
  • 60歳以上の方が入居できる
  • 有資格者の相談員が常駐して、安否確認と生活相談サービスが受けられる
自立状態 健康型有料老人ホーム
  • 自立状態の高齢者を対象
  • 食事サービスが付いた高齢者施設
  • 介護が必要になった場合は契約解除し退去しなければならない
自立状態 高齢者専用賃貸住宅(高専賃)
  • 高齢者のみを賃借人としている
  • 住宅の構造や設備等の基準をクリアした賃貸住宅
自立状態 高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)

 

  • 都道府県単位で認定された60歳以上の方が対象
  • 安否確認や緊急時対応のサービスを受けることができる

◆民間介護施設の料金(目安)

施設名 利用料金
介護付き有料老人ホーム
  • 契約時に払う入居一時金(初期費用)と月額費用がある
  • 入居一時金がかからないホームや、月額費用を高く設定して入居金0円プランを用意しているホームもある
  • 入居費用ついては、ホームによって金額が変わる
住宅型有料老人ホーム
  • 初期費用として入居一時金を支払った上で、入居後に月額費用として生活費(居住費・食費・その他日常生活費)は自己負担
  • 一時金0~数千万円、12万円~30万円
グループホーム
  • 初期費用は保証金や入居金などの名目で0~100万円程度
  • 月額費用は15万円~20万円
サービス付き高齢者住宅
  • 賃貸借契約で、初期費用は比較的安く数十万円で借りられるところが多い(例外あり)
  • 月額費用は5~25万円と安く利用可能
健康型有料老人ホーム
  • 設備も他の施設と違い豪華で料金も割高
  • 初期費用は数千万円と高く、月額費用は15~50万円と差がある
高齢者専用賃貸住宅
  • 初期費用は数十万円程度
  • 月額利用料は家賃と管理費で5~15万円くらいと立地条件などによる開きがある
高齢者向け優良賃貸住宅
  • 初期費用は数十万円程度
  • 月額利用料は家賃と管理費で5~10万円程度
  • 世帯収入が一定基準以下の場合は国や自治体などから家賃補助が受けられる
シニア向け分譲マンション
  • 高齢者を対象にした分譲マンションで、所有権を持てて、売却、譲渡、賃貸、相続などが可能
  • 個人資産(賃貸ではない)

民間の介護施設は公的な施設と比較すると料金、設備、サービス内容、スタッフなどを各企業独自の販売戦略で商品化して特色を出しています。

民間の介護施設には資産価値としての施設もあり、利用者も「自宅に介護や医療が備わっていてさらに資産価値もある」ということで、老後の安心感が人気の1つにもなっています。

民間の介護施設の利用上の注意点

民間の介護施設は公的な介護施設と違いをよく把握して、利用者の生活環境に適した施設選びが必要です。

民間の施設は入居一時金など高額な費用が必要な所がありますので、最低でも次の事に注意して施設を選ぶようにおすすめします。

◆注意点

  • 高額な一時金などを収めるため、施設の経営母体がどんな業種なのか、介護に精通して安心経営できる企業か調査しておく
  • 施設を選ぶ場合、費用面、設備、人員、立地条件などを十分に考慮する
  • 現在平均的介護期間は4年11ヵ月のため、民間の施設を利用する場合は介護期間に発生する高額な負担金が資産として備わっているか
  • 民間の介護施設を選択する時に最も多い問題が入所後「説明と違っていた」「料金が追加」されたなどのトラブルの声が多く、契約を交わす前にケアマネジャーや相談員などの専門家に相談することが重要

まとめ

高齢の両親を持つと介護は他人事ではありません。

介護生活に入ると家族は仕事やさまざま物を犠牲にすることになります。そんな「介護犠牲」を防ぐ方法として、公的な施設や民間の施設をうまく利用していくことが必要でしょう。

介護のリスクを、少しでも削減できるようにすることをオススメします。


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