高齢になると若い頃と比べて免疫力が弱り、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
持病がある方や感染病の程度によっては、生死の危険もあるだけに日頃から感染予防が大切です。そこで今回は、高齢者が掛かりやすい感染病の種類から予防方法まで詳しく解説します。
目次
高齢者に多い感染病とは
感染病の種類と特徴
感染症は呼吸器、消化器、皮膚疾患と様々です。しかし病気にかかってしまうと重い症状に陥り大変危険ですし、知らない間に人に移してしまい、最悪なケースではパンデミックを引き起こしてしまうことも想定されます。
そこで、高齢者が日常生活でかかりやすい感染病は、どのようなものがあるのかや、早期発見するために感染症の特徴などを知っておくと、いざという時に助かります。
まずは、部位別に感染症の種類や特徴について詳しく見ていきましょう。
◆呼吸器
病名 | 症状 |
インフルエンザ | 高熱、倦怠感、喉の痛み、関節痛、筋肉痛、鼻水、鼻づまり、嘔吐、下痢など |
結核 | 咳、発熱、倦怠感、胸痛、呼吸苦、血痰 |
「インフルエンザ」は、ウィルスによりA型とB型に区分されますが、A型の方が症状が重く高齢者の死亡リスクが高いです。肺炎を誘発する原因となるだけに、症状に気づいた時には早急な医療機関への受診が必要です。
「結核」は飛沫感染により容易に感染してしまうので大変怖い病気です。耐性菌に感染してしまうと思うように治療できず、死亡リスクが高まります。また初期は症状があまりないので、周囲へ感染が広がってしまい社会的問題となっています。
◆消化器官
病名 | 症状 |
感冒性胃腸炎 | 腹痛、下痢、嘔吐 |
腸管出血性大腸菌感染症 | 下痢、発熱、腹痛、嘔吐、血便 |
「感冒性胃腸炎」はノロウィルス、ロタウィルスによる胃腸障害が起こります。特効薬がないため対処療法しか治療方法がなく、長引く激しい下痢や嘔吐により脱水症状が引き起こされ、体内の電解質のバランスが崩れてしまいます。また感染者の吐瀉物などを介して集団感染を引き起こすので、家族や介護者は注意が必要です。
「腸管出血性大腸菌感染症」は別名O157と呼ばれています。大腸菌が付着した食べ物により感染を引き起こします。軽度な症状で終わる方から溶血性尿毒症症候群、脳症を引き起こし亡くなる方もいるので注意が必要です。
◆皮膚疾患
病名 | 症状 |
痂皮型疥癬 | 皮膚が白っちゃける、爪が白く分厚くなる |
緑膿菌感染症 | 皮膚の爛れ、傷、壊死 |
「痂皮型疥癬(かひがたかいせん)」はヒセンダニが皮膚に住み着き症状を引き起こします。
「緑膿菌感染症」の緑膿菌は、お風呂場などの水回りにおり、抵抗力の弱い高齢者は感染リスクが高いです。重篤なケースでは皮膚の壊死から敗血症、多機能器不全を起こし死に至こだけに注意が必要です。
感染すると命に関わるって本当?
感染病にかかると、若い人でも時に命を落とす時があります。抵抗力の弱い高齢者が感染病にかかってしてしまうと、そのリスクは更に高まります。
また、感染病をきっかけに、別の病気を引き起こすこともあります。その要因としては、年齢が高くなるにつれ心疾患や糖尿病、高血圧などの慢性疾患を抱えている人が多くいるためです。感染症にかかると、慢性疾患に重篤な影響を及ぼしますし、元々抵抗力がない体ですから、肺炎や脳症などを引き起こしやすくなります。
早期に病院に掛かれば大丈夫と考える人もいますが、抵抗力が劣っているといかなる治療を行っても改善が見られず、最終的に亡くなってしまうケースも多くあります。
季節により発生しやすい感染病が違う
季節により社会的問題となる感染病とは?
日本には四季があり、湿度や気温が異なります。それにより季節により流行する感染病が変わるので、注意が必要です。
感染病の中で最も感染しやすく、短期間に重篤しやすいのがインフルエンザです。実際、予防接種や手洗い、うがいを励行してもいつの間にか病気にかかっていたという人達が大勢います。
会社や学校、高齢者施設で集団感染を引き起こすだけに厄介な病気です。
季節によって気をつけるべきこと
季節ごとに何か特別な対策をする必要はありません。それよりも、1年を通して感染症にかかりづらい体力作りをし、維持することが大切です。そうすることで免疫力が自ずと上がり、感染しづらい身体となります。
また、感染症以外のガンなどの予防効果も期待できるはずです。適度な運動、栄養に配慮した食事、十分な睡眠はもちろんですし、免疫力をアップさせるためにストレスを溜めないことも大切です。
感染症が流行っている時には、外出をできるだけ控えたり、人の多い所に出歩かないなど人との接触を極力控えるように心がけましょう。
感染を未然に防止しよう!
日々心がけるべき高齢者の衛生面
感染症にならないためには、日頃からの予防が何よりも大切です。感染予防方法として、次の6つを挙げます。
- 手洗い
- 歯磨き
- 爪を短く切る
- アルコール消毒の利用
- マスクの装着
- 入浴で皮膚の衛生さを維持
まずは何と言っても1.の「手洗い」です。手には見えないたくさんの細菌が住み着いていますから食事の前、外出から戻った後は丁寧な手洗いを心かけましょう。特に忘れがちな指と指の間、爪先などもこすりあわせるように洗ってください。もちろん手洗いの際には、指輪や時計は外しましょう。
2.の「歯磨き」も大切です。口の中は常時湿り気があるので、定期的に磨かないとウィルスが増殖する原因になります。歯間ブラシを1日1度は使い、歯間や歯の裏まで磨きましょう。
3.の「爪を短く切る」についてです。爪を長くしていると非衛生的ですし、菌が付着してもなかなか取れないので、短く切るようにしましょう。
4.の「アルコール消毒の利用」についてです。人混みや病院に行った時にはアルコール消毒をし、菌を家になるべく持ち込まないようにしましょう。
5.は「マスクの装着」です。風邪やインフルエンザが流行っている時や、電車など人の多い場所ではマスクは要必須です。使い捨てマスクはこまめに取り替えましょう。間違っても同じマスクをずっと使い続けるのはNGです。
6.の「入浴で皮膚の衛生さを維持」することも大切です。高齢になると入浴が億劫に感じますが、皮膚の衛生さを保つことで皮膚疾患を予防できます。
感染リスクを予防しないとどうなる?
手洗い、うがい、アルコール消毒などは、時に面倒に感じられます。もしこれらを怠った場合はどうなるのでしょう?答えは当然ですが、感染病の発症リスクが高まります。
日頃からしっかり予防しないと、命の危険以外にさらなる感染拡大を引き起こしてしまうのです。例えば、冬場のインフルエンザにより老人ホームでの集団感染により、多くの人が感染し、高齢者が亡くなることもあります。
2次感染、3次感染とさらなる感染拡大を防ぐにために事前の予防が大切です。
家族や介護者が気をつけるべきこと
高齢者をお世話する介護者が感染予防で気をつける事は、高齢者と同じです。ただし、自分自身が感染から身を守り、高齢者達に移さないと言う意味で責任重大です。
また介護している高齢者の排泄物や吐瀉物からの感染もありますし、身の回りの世話をしていただけで感染症をもらってしまうことがとても多いです。
できる限りマスクを装着すべきですし、処置の際には必ず使い捨て手袋をし、終了後は手洗いを徹底することが必要です。
まとめ
感染症は1人から10人、さらに30人と爆発的に拡大してしまうので事前の予防が必要です。まして抵抗力の弱い高齢者は重篤化し、大変危険です。
介護する側、高齢者双方でお互い日頃からしっかりと感染症予防に取り組んで行きましょう。
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