介護支援専門員(ケアマネージャー)の仕事は辛くて大変か?②

ケアマネージャーの仕事は、知識はもちろんのこと、対人コミュニケーション能力も必要になってきます。

前回の「介護支援専門員(ケアマネージャー)の仕事は辛くて大変か?①」では、日本介護支援専門員協会が採択した介護支援専門員倫理綱領についてご紹介し、実際にあった事例について挙げました。今回は、ケアマネージャーとして注意すべきことを、事例を挙げながら書いていきます。

ケアマネージャーが注意すべきこと

ケアマネージャーは正解のない仕事

ケアマネージャーとして仕事をしていると、様々な身体状況、家庭環境に遭遇しますが、1つとして同じケースはありません。

まさに十人十色で、支援の方法に「答え」も「正解」もないのです。だからこそ、専門職として基本に忠実である必要があります。

この基本というのは、「知識」だけではなく、「対人コミュニケーション」でも同じことが言えます。自分の持っている知識を相手の役に立たせるためには、相手の要望を正確に理解するコミュニケーション能力が必要です。

バイスティックの7原則

今回は、ケアマネージャーのような対人援助職の行動規範として有名な、「バイスティックの7原則」についてご紹介します。

◆バイスティックの7原則

  1. 個別化
  2. 意図的な感情表現
  3. 統制された情緒的関与
  4. 受容
  5. 非審判的態度
  6. 自己決定
  7. 秘密保持

この7原則について、1つずつ説明していきます。

1.個別化

利用者を個人として捉えるということです。現病歴や家庭環境等のような状況が似ているように見える利用者でも、それぞれ抱えている問題は違うという考え方です。利用者を「こういう方」「~だから」と決めつけたり、「~だから~すれば良い」とこの問題にはこの方法とマニュアル化することは好ましくありません。

2.意図的な感情表現

利用者が自由に感情を表現することを認めるということです。誰でも楽しい話、面白い話は話しやすいですが、不安や不満のようなネガティブな感情は話にくいものです。しかし、これらの感情を表出することで、利用者自身も自分の気持ちを整理しやすくなります。ケアマネージャーは利用者が話やすいように、面談時には威圧感なく話がしやすい位置で聞く、質問の方法等を工夫する必要があります。

3.統制された情緒的関与

ケアマネージャー自身は平常心を保ち、利用者の感情を理解できるように気持ちをコントロールするということです。過度な感情移入はしていないか、感情が先に立って行動していないかを振り返りながら日々の業務にあたる必要があります。

4.受容

利用者がどのような考え、主張をしたとしても、頭から否定するのではなく、なぜそのような話になるのか理解するということです。利用者の考え方は、これまでの人生や現在の環境から導きだされたことであることを踏まえ、ありのままに受け止めることが重要になります。

5.非審判的態度

利用者の考えについて、ケアマネージャーが善悪をつけ決めつけたり、裁いてはいけないということです。ケアマネージャーはあくまで、利用者の自立を支援する為のサポート役であり、より良い生活になるよう利用者自身が考え、選択し、行動できるようにサポートする立場であるということを忘れてはいけません。

6.自己決定

⑤でも触れましたが、利用者の行動を選択するのはあくまでも利用者自身であるという考え方です。利用者が持っている力、強みはどの程度あるのか?本人の気持ちはきちんと整理できているか?問題解決につながるような支援が行えているか?これらを自問自答しながら業務にあたる必要があります。

7.秘密保持

当たり前ですが、利用者の個人情報やプライバシーは絶対に守らなければなりません。

利用者像が捉えにくい事例

事例の概要

次に実際の事例をご紹介します。

◆事例

利用者  :80代男性

主介護者 :娘

事例の概要:要介護4で自宅で娘夫婦の手助けを受けながら生活をしている。腰痛があり、移動時、起居動作時には顔をしかめ、痛みの為に声が漏れることもある。家族は自宅2階で生活し、本人の食事の用意や外出の手助け等生活面での援助を行う。身体面では、移動時に手を添える程度で、自立を促したいとの考えが強い。

利用者の意向としては、自宅で生活したいが、痛みの為にできない部分は手伝って欲しいと考えていました。また家族の意向としては、自分でできることは頑張って欲しいと思っており、手助けをし過ぎると、今までできていたこともできなくなるのではないかと考えていました。

そこで、介護保険で次のサービスを利用することとしました。

  • 利用した介護保険サービス:デイサービス(通所介護)、福祉用具貸与

支援が難しかった点

利用者は、自宅で手すりを利用しながら、すり足気味ではありますが自力で歩行していました。また、階段を昇り2階の食堂で食事をとったり、排泄や入浴も自力で行えていました。

しかしデイサービスでは、立ち上がりもままならず、机を引き寄せる程の腕の力で職員が手助けした時のみ、立ち上がるといった状況でした。歩行訓練では、介助者の手を力いっぱい持っての手引き歩行のみで、もちろん足はほとんど上がらず、すり足で移動する状態でした。

デイサービスでのADL(日常生活動作)と自宅でのADLの開きが大きく、ケアマネージャー自身も支援開始当初だった為、本人像の把握に苦慮しました。

対応策

なぜADLの開きが大きくなっているのかの原因を突き止め、より良い支援をする為に、この事案では下記の2点を重点的に行いました。

  • 利用者の各環境での状態の把握
  • 利用者・家族の意向の確認

まずは、複数回それぞれの環境での利用者を観察、家族には外出時の本人の様子を動画で見せて頂きました。(何度確認してもADLの差は埋まりませんでした)

そこで次に、利用者と積極的にコミュニケーションを取りました。すると話しをしているうちに、デイサービスでの訓練やケアに萎縮している印象を受けました。また家族と話をすると、デイサービスでもっと利用者に動いて欲しく、現状では甘えて過ごしているだけだと感じていました。

これらを踏まえ、機能訓練に力を入れているデイサービスを体験利用し、デイサービス事業所を変更しました。

その後の経過

利用者はデイサービスで、訓練に積極的に参加するようになり、家族は歩行時に適宜手引き等の介助を行うようになりました。また住宅改修や福祉用具貸与(機種の再選定)を行い、環境を整えることで、活動量も増えました。

家族は、やみくもに本人に自立を促すのではなく、負担や危険を軽減できる環境を整えることが大切だとわかったと話してくれました。

このケースでは、他のデイサービスを体験利用することで、それぞれ次のような変化が見られました。

  • 利用者:新しいデイサービスを利用し始めてから、意欲的に歩行訓練に参加するようになった
  • 家族 :本人の頑張りを認め、環境を整えることの大切さを実感した

また、ケアマネージャーや機能訓練士からの意見も参考に、利用者像の理解が進み、住環境の整備についても検討しやすくなりました。

最後に

今回の事例では、本人・家族の意向や考え方に違いがあるケースで、ケアマネージャーは中立の立場を守り自立を支援するという専門職としての視点が不可欠でした。

まさに、バイスティックの7原則をフル活用し、ケアプランを検討すべきケースでしょう。

ここまで読んで下さった方は、ケアマネージャーの仕事に難しさを感じたかもしれません。しかし、試験合格後の研修では、実務を行う上で重要なことを丁寧に指導してくれます。教わった基本に忠実に、心をこめて業務を行えば必ず道は開けるので頑張りましょう。

介護支援専門員(ケアマネージャー)の仕事は辛くて大変か?① 介護支援専門員(ケアマネージャー)の役割と仕事内容、給料、やりがいは?


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