認知症という病気も最近では決して特別な病気ではなくなり、身近な病気として年々発症する患者数が増えてきています。
それに伴い認知症患者の介護は、はかり知れない家族の負担になります。これから認知症患者の介護の在り方についてわかりやすく紹介します。
加齢と認知症
認知症とは
人は誰でも歳をとっていきます、それと同時に体の機能や記憶力と言ったものが低下してきます。
中でも記憶力についてはもの忘れがひどくなって認知症ではないかと自己診断する時がありますが、加齢によるもの忘れと認知症では違う事をまずは理解しましょう。
認知症は、何かの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。そして認知症が進行すると、だんだんと理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出てきます。
加齢による物忘れと認知症の違い
加齢による物忘れと認知症は混同しやすいものなので、違いを下記の表にまとめました。
加齢によるもの忘れ | 認知症 | |
原因 | 脳の生理的な現象 | 脳の神経細胞の変性や脱落 |
物忘れ | 体験したこと一部を忘れる | 体験したことの全てを忘れる |
症状の進行 | あなり進行しない | 段々と進行する |
判断力 | 低下しない | 低下していく |
自覚 | 忘れっぽい事を自覚している | 忘れたことの自覚がない |
日常生活 | 支障がない | 支障がある |
認知症は現代の医学では完全にもとの状態に戻ることは不可能と言われています。現状は薬物治療により進行を抑制する治療方法しかありません。
認知症の種類と症状
認知症は大きく分けて以下の3大認知症に区別されます。認知症全体の 85%がこの3大認知症で占めています。
- アルツハイマー型認知症
- レピー小体型認知症
- 血管性認知症
この3大認知症をの症状と原因を挙げていきます。
◆アルツハイマー型認知症
[症状]3大認知症の中でおよそ半数の患者はこのアルツハイマー型認知症です。症状としては日常生活の中で普通にできていたことが徐々にできなくなってきます。アルツハイマー型認知症の特徴としてはBPSD(行動・心理症状)が、みられて新しい事の記憶ができなくなります。
また過去のことを思い出せないなど日常生活での時間や場所がわからなくなり、さらに進行が進むと妄想やはいかい、興奮や暴力などの症状もでてきます。
[原因]脳に不要なたんぱく質がたまって、神経細胞が死んでしまいます、その結果脳が萎縮して(縮んで)しまいます。記憶を担っている海馬という部分から萎縮が始まり、だんだんと脳全体に広がります。
◆レピー小体型認知症
[症状]レピー小体型認知症の症状はパーキンソン病の症状のような手足の震え、小刻み歩行などのほかに幻想、幻聴などや、寝ている時に奇声や怒鳴り声などの言動が特徴的です。
[原因]脳の神経細胞の中に「レビー小体」と呼ばれる不要なたんぱく質の塊がみられます。このレビー小体が大脳に広くに現れると、レピー小体型認知症です。
◆血管性認知症
[症状]脳疾患の脳梗塞や脳出血の発症による認知症と言われています。脳に与える障がいの程度により症状が異なってきます。手足のまひなどの神経症状が起きることもあります。
[原因]原因は脳の血管が詰まり血管が破れるなど脳血管に障害が起きると、その周りの神経細胞がダメージを受けて。血管性認知症です。
認知症と介護サービス
認知症を発症している患者数は年々増加傾向にあります。団塊の世代が70歳前後になる2025年には700万人の高齢者が認知症を患って高齢者全体の5人に1人の割合で認知症を発症しています。
上記の公的機関の推定有症率をみても、認知症は右肩上がりで増加してくることは明確です。
では家族が認知症を発症した場合、発症者の介護はどのようにしたらいいのか、ほとんどの家庭が始めての経験なため、不安と戸惑いでいっぱいです。
認知症介護の心得
在宅で親の介護をする事になると、今までの生活の形が大きく様変わりします。介護は先が見えなく、介護する家族は「介護ストレス」がたまります。
それが当事者への反発や虐待につながり痛ましい事故が発生する原因にもなっています。特に認知症家族の介護は容易ではありません。認知症は介護する家族も本人も切実な問題です。
介護する家族は本人との間で重圧や、ストレスに先のない日々に耐えなくていけません。
そこで認知症の家族を介護するようになった時には、介護する家族としてはどうすればいいのか対処方法を紹介します。
- 正しい知識を学ぶ
- 抱えこまない
まずは1.についてです。認知症について正しい知識を身に着け、認知症に対して偏見を決して持たない様に心がける必要があります。認知症が理由で発生する問題は多岐に渡りますが、全てを認知症のせいにするのは良くありません。最適な介護を行うためにも、しっかりとした認知症の知識を身に付けましょう。このサイトもその一助になるはずです。
次に2.についてです。認知症の家族のことを近所や周囲に知られたくないなど、認知症の介護を一人で抱え込むケースが少なくありません。しかし認知症の介護は長期にわたることが多く、1人や家族だけで抱え込むことは心身の負担につながります。外部の介護サービスなどに任せることで、介護ストレスから解放されるいい手段とも言えます。認知症が進むにつれて、当事者もご家族も周囲とのつながりが薄れていく傾向もあります。初期の頃から同じ悩みを持つ仲間や、家族会などとつながりをもち、抱え込まない意識を持ち続けるように心がけが必要です。
介護サービス
認知症の家族を介護する側も先の見えない介護を続けることは、精神的にも肉体的にも限界を感じます。
そんな時には介護保険を利用して適切な介護サービスを受けることで、一時的な休息をとることで介護ストレスを防ぐことができます。
- 訪問介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型通所介護
- 認知症対応型共同生活介護
1.についてですが、在宅で認知症家族の介護をする時には、訪問介護のホームヘルパーを利用すれば一時的な休息をとることできます。
◆訪問介護サービス
[身体介護]入浴、はいせつなど [生活支援]掃除、買い物、料理など2.は必要なとき宿泊ができるサービスのことです。
3.は65歳の以上認知症患者が受けることが可能なデイサービスなどのことです。
4.はグループホームで認知症の人達と共同生活がおくります。
在宅で認知症の介護を行う時には要介護者より、介護する家族が長期間の認知症介護に対して休息できる体制を作れなければ、認知症介護は不可能と言っても過言ではありません。
認知症介護の注意点
在宅で認知症の家族の介護を行うときに最も注意する点が、認知症患者によくみられる症状で昼夜逆転していることが多いと言われています。
昼夜逆転になると生活のリズムが狂い昼間はウトウトして、寝てしまい、夜になると眼が覚めてしまい思わぬ行動へとつながります。
それは昼夜逆転によって夜が活動的になり夜中に食事をとり、外出をしてしまう行動が目立ってきます。昼夜逆転の症状を解消するためには、日中散歩などで運動量を挙げて起きている時間を延ばしてやるようにしましょう。
介護する家族は昼間の運動量、食事時間、規則正しい日課づくりなどに心がけましょう。
また介護する上で気をつけるべきことは、「強制的に行わない」ということです。家族がゆえに、できそうでできない、最も重大な注意点です。
まとめ
認知症を発症してからの治療はまだ確立されていませんが、今注目されているのが認知症予防です。生活習慣病の改善やプログラムされた運動を続ける事で確実に予防効果につながっていきます。
認知症患者の介護は、はかり知れない家族の負担になりますが、しっかりとした知識を持った上で、様々な介護サービスを利用することで、心身ともに健全な状態で介護を行なっていくようにしましょう。
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