1998年に第1回のケアマネの試験(介護支援専門員実務研修試験)が行われてから、20年近くが経過し、ケアマネ資格取得者も増えてきました。
「キツイ」「大変」な仕事という話を聞くこともあるかもしれません。
実際の事例を交えながら、ケアマネの仕事の実際についてお話しします。
介護支援専門員(ケアマネージャー)の仕事とは
ケアマネジャーとは、日常生活で支援の必要な人や家族からの相談を聞いて、利用者に合った支援が適切に行えるように支援する仕事です。
居宅介護支援では、下記のものが主な役割です。
- ケアプランの作成・評価
- 介護保険関係の申請業務、要介護認定業務
- 給付管理関連業務
- 相談業務
1.ケアプランの作成・評価
アセスメントにて利用者様の心身の状態、本人・家族の希望、家族等の介護力等を把握し、ケアプランを作成します。このケアプランに沿って介護サービスが提供されます。支援が始まってからは、最低1ヶ月に1回は利用者の自宅訪問し状態を把握し、目標の達成状況を評価(モニタリング)を行います。
2.介護保険関係の申請業務、要介護認定業務
介護保険サービスを受ける為には、市町村に申請が必要です。要介護認定申請時、住宅改修、特定福祉用具購入時等の手続きを代行します。また、市町村の依頼を受け要介護認定に必要な訪問調査を行うこともあります。
3.給付管理関連業務
利用票の作成、交付という仕事があり、毎月のサービスの利用予定や料金等が記載された利用表を作成し、交付します。また同様に提供表の作成、交付という仕事もあり、サービス事業所向けに、利用表と同じ内容でサービスの提供書面にて依頼する提供表票を交付します。更に、毎月のサービスの利用実績を集計し、介護給付費請求書・介護給付費明細書・給付管理表という帳票を作成します。
4.相談業務
要介護者や、要介護者を常日ごろ介護している家族からの相談に乗ったり、苦情等がある場合には苦情が解決できるようにサポートします。
ケアマネージャーが注意すべきこと
日本介護支援専門員協会が採択した『介護支援専門員 倫理綱領』では、下記の12項目が採択されています。
- 自立支援
- 利用者の権利擁護
- 専門的知識と技術の向上
- 公正・中立な立場の堅持
- 社会的信頼の確立
- 秘密保持
- 法令遵守
- 説明責任
- 苦情への対応
- 他の専門職との連携
- 地域包括ケアの推進
- より良い社会づくりへの貢献
ケアマネジャーは常にこれらを念頭に業務にあたる必要があります。また、支援が困難なケースではこれらを意識して支援にあたることで課題解決が行いやすくなります。
ケアマネジメントの実施が難しく感じた事例
事例の概要
続いて、ケアマネジメントの実例をご紹介します。
◆事例1
利用者 :40代男性
主介護者 :母
事例の概要:担当開始時、要介護2で透析通院の為週3回訪問介護(通院等乗降介助)を利用している。全盲の為、家事全般は母に頼っていましたが、入浴や排泄は自分で可能。
※その後状態が悪化、下腿欠損で排泄、入浴、移乗・移動が困難になる。(要介護4認定)
利用者・母ともに、「訪問介護は利用したいが、それ以外はそっとしておいて欲しい」との希望が強く、アセスメントに必要な情報収集が難しい状況でした。
対応策
この事案での支援のポイントは下記の2点でした。
- 利用者・家族の希望を尊重しつつ、コミュニケーションの機会を持つ
- 介護保険制度やケアマネの役割について理解を得る
次に、具体的にとった方法です。
- 通院時に訪問介護員に同行、自宅・院内での様子を確認する
→ 自分の目で状況を確認、本人・家族に聴取する内容を整理しやすくなります
- 本人、家族と個別に面談する機会を設ける
→ 要介護者・主介護者の希望や考えを明確にできます
- サービス事業所・医療との連携を密に行う
→ 客観的な情報を得ることで、状況が理解しやすくなります
このケースでは、体調悪化で入院し、自宅に戻って生活は困難ではないかと思われたこともありました。
しかし、利用者入院中に、本人・家族とのコミュニケーションを重点的行うことで、状態悪化後も「自宅で生活したい」という強い希望を確認することができました。そして、本人・家族の希望、考えが明確になったことで、次のことが可能になりました。
- 退院後の生活を想定したリハビリを実施
- 医療、介護サービス事業所立ち合いの下、自宅での動作確認、環境整備
自宅に退院後には、本人・家族からケアマネジャーの業務に理解を示す発言も聞かれ、ケアマネジメントが円滑に行えるようになりました。
ケアマネジャーとして業務を行っていると、思うようにいかない時、すぐに結果が出ないこともあります。『介護支援専門員 倫理綱領』を忘れず、丁寧にケアマネジメントを行うことがいかに重要かを学んだ事例でした。
また、本人・家族の明確な希望が確認できたので、ケアマネジャーとしての職務を果たすことができました。
最後に
ケアマネージャーという仕事は、介護保険サービスのコーディネーター役です。
責任を感じることもありますが、コーディネーター役として医療や介護サービス事業所と連携をし、様々な角度から利用者を支援できるという醍醐味があります。
これまでの経験を活かし、自分の立てたケアプランで利用者・家族のお手伝いをしてみませんか?


【介護転職サイト】ランキングBest3!
第1位 きらケア
![]() |
求人数も多く、登録必須のサイト!! |
第2位 かいご畑
![]() |
転職すると介護資格が0円で取得できる!! |
第3位 スマイルSUPPORT介護
![]() |
業界トップレベル!求人数10万件! |
番外編 きらケア介護派遣
![]() |
介護派遣に特化!資格支援制度もあり! |
この続きは下記の記事に詳しく書いています。こちらも参考にしてみてください。
