高齢になると噛む機能が衰えてしまうので、介護食に切り替える必要性が出てきます。
しかし、介護食は介護される側も介護する側にとっても、慣れるまでにいろいろな戸惑いがあります。
そこで、介護食とは何かということから、介護食に切り替えるタイミング、そして市販のレトルト商品まで掘り下げてご紹介します。
目次
介護食ってどんな食べ物?
介護食とは
介護食とは、普段の食事を高齢期を迎えた方用にアレンジした食事です。個人差はありますが、高齢になると「噛む力」、「飲み込む力」が衰えてきます。そのため、今まで無意識のうちに行っていた食事をする行為自体、難しくなるのです。
例えば、「飲み込む際にむせて誤嚥性肺炎になってしまった。」、「噛めないから飲み込んでしまって、危うく窒息しそうになった。」というようなことが、みなさんの周りのお年寄りに起こっている場合は、危険サインです。
このような症例のあるお年寄りは、やわらかくて口の中である程度の水分を保ちながら飲み込みやすさを助けてくれる「介護食」への切り替えが必要です。ただし、介護食だからと全ての食材を小さく刻んでしまったり、流動食にしてしまうと咀嚼力・嚥下力を低下させてしまいます。そこで、個人の食べる力に合わせて食材の大きさをカットしたり、やわらかくすることが大切です。
また、高齢になるといろいろな疾患にかかっているケースが多く、糖分、塩分などを細くチェックしつつ介護食を作ることはとても大変です。
しかし、健康を維持し続けるために細やかなコントロールは欠かせませんので気を配りながら介護食を作る必要があります。
◆介護食のポイント
- 噛みやすくする
- 飲み込みやすくする
- 疾患によって食事の内容をコントロールする
介護食ってどうして必要なの?
食事をする行為は、健常者であれば当たり前のことなので、介護食の重要性を知らない方が意外と多いです。ですが、若い人たちであっても、粉っぽい食べ物や弾力があって噛み切りづらい食べ物というのはあるはずです。
例えば、イカの刺身は、しっかり噛んでいるのになかなか噛み切れません。実際にイカを喉に詰まらせて救急車を呼んだケースもあります。
このように、介護食ではなく、通常食を与えてしまうと窒素死の危険性が高くなり非常に危険です。
他にもパサパサした水分のない飲み込みづらい食事を与えてしまうと、うまく飲み込めずに気管に誤って入り「誤飲性肺炎」を起こしてしまいます。実際に、65歳以上のシニア世代の死亡原因トップ3位以内に「誤嚥性肺炎」がランクインしているのです。
そのため、食べ物による窒息や肺炎を防ぎつつ、1日に摂取すべき必要な栄養素をしっかりと補って作られた介護食が必要なのです。
介護食を作る際に注意すべきことは?
栄養バランスと食事を楽しめる献立
食事は、必要な栄養素を摂取して健康を維持するためにとても重要です。筋肉や血液を作るタンパク質、脳に栄養を送る炭水化物、腸内環境を整える食物繊維やヨーグルト、豊富なビタミンCを含む果物などを1日に3度の食事でまかなってください。
また、彩りや匂いによって食欲がわくので、視覚や嗅覚が刺激される見た目も必要です。「赤・緑・黄色」と言ったカラフルな野菜を使うことで、栄養素をしっかりと摂取できるだけでなく、鮮やかな彩りによって食欲が増進します。
要介護状態になってしまうと行動範囲が制限されてしまうので、1日3度の食事が楽しみという方も多いです。しかし、慣れないと面倒ですし、1日に3度ともなると正直大変でしょう。
その場合、「主食・メイン・野菜・汁物」と大雑把に分類して考えると、バランスの良い介護食を作りやすいです。
また、曜日によってメインの食材を「魚or肉」と決めておくと献立を作りやすいですし、食べる方の楽しみにもつながるはずです。
介護食のレシピについては、このサイトでも沢山紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。


食べやにくい食材に気を付ける!
介護食を作る上でバランスは大切ですが、食材の中には、介護食に適さないモノがあるので気を付けてください。
そこで、注意すべき食材と要因を記載しますので参考にしてください。
- コンニャクやゼリーは「プヨプヨ」しており弾力があるので喉に詰まらせやすい
- 蒸かし芋や蒸したカボチャは、「ホクホク系」なので水分が少なく喉に詰まってしまうリスクが高い
- ピーナッツは誤って飲み込んでしまうと窒息の原因となる可能性がある
- 海苔やワカメなどの海藻や繊維質の野菜は、噛み切りにくい
- 鳥のささみなどは、「パサつき系」なので飲み込みづらく誤嚥性肺炎のリスクが高い
個人によって食べづらさが違うので、介護する方は日頃の様子や体調を管理しながら見極めてください。
基本的に魚や肉は、脂がある程度ある部位を豆腐でしたらソフトな歯ごたえの絹こしがお勧めです。また、ホクホク系の食材は、マッシャーで潰してマヨネーズであえたり、ポタージュスープにしてあげると食べやすくなります。
介護食を毎日どうするか?
意外と簡単な介護食の作り方
介護食と聞くと日々の負担が増えてしまい、とても苦痛に感じます。しかし、健常者が普通に食べている食事を少し工夫するだけで立派な介護食となるので気張る必要はありません。気楽な気持ちで介護食作りに取り組んでください。
例えば、茎の固いほうれん草などの葉物は、葉先だけ細かく刻んでお浸しにしてあげましょう。また、噛み切りやすく繊維に沿って切ってあげると楽に食事ができます。どうしても飲み込みづらい時には、おかゆやおじやなどにして、ふやかしてあげるといいです。
噛み切りにくい食材ベスト10入りのイカやタコは、小さくカットしても要介護者にとっては危険なので、フードプロセッサーでミンチ状にして、つみれ団子としてスープやハンバーグにすると食べやすくなります。この時につなぎにハンペンや長芋を使うと滑らかな食感になり、更に喉越しが良くなります。
喉の潤いがなく、嚥下に困っている方には、トロミを付けてあんかけ状にしたり、スープにして水分を補ってあげてください。
このように私達が食べる食事にトロミを付けたり、水分を補うことや食材のカット方法を少し工夫するだけで介護食作りの手間が省けます。
市販品を使い息抜きをする
介護は、介護する側に負担がとても大きく社会的に問題となっています。まして毎日のことだけに作る側はつい苛立ってしまったり、苦痛に感じてしまいがちです。そのような時は、市販の介護食を利用して息抜きしてください。
大手メーカー「キューピー」からは食事能力によって4つのレベルに合わせて介護食が、販売されています。商品のラインナップが豊富なので一定の期間内でしたら飽きずに食事ができる内容です。
また、災害の多い昨今では非常食のストックが必要です。このようなレトルトの介護食を保存しておくことで、万が一の災害の備えになるのでとても安心です。
キューピー以外の各メーカーからも保存食が販売されていますし、宅配食も普及して来ています。
笑顔で介護を続けるために時には、このようなサービスを利用することも大切です。
食事サービスについては、以下の記事でも書いているので、参考にしてみてください。

まとめ
色々な世話をしながら、「介護食」を作ることは、非常に大変です。しかし、先程挙げたように、ちょっとしたコツや食材の特性に気を付けるだけで、短時間で介護食を作ることができます。
また、全ての食事を手作りにしてしまうと、介護する側の負担が大きくなってしまうので、時には市販の介護食を利用し、気楽に介護食と向き合っていきましょう。
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